第60話

「はい。幼少期に少しの間ですが遊んでいました。」



「…少しぃ?」



「父が入院していた病院でたまたま会ったんです。ーー父の容態が急変して、コウくんにさよならも言えずに私は病院に行かなくなってしまいました。」



ーーー父親の事、コウキは俺よりずっと前から知ってたのか。



「その当時、コウくんは私の事を"なっちゃん"と呼んでいたんです。ーーーだから、呼び方が"なっちゃん"なのは変では無いんですよ。」




ーーー夏実の事も、コウキは俺が夏実と会う前から知っていて。



……コウキは、本当にずっとコイツだったらしい。




俺はもう一度息を吐く。

夏実の昔を思い出しているような柔らかな表情に向けて



「……そうかよ」




と一言呟いた。




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