2024-2025 俳句短歌集

並木空

俳句

【季語】 桜


君の爪 桜が咲いた 盗み見る


【季語】 春の花(桜のこと)


春の花 涙のような 露を置く


【季語】 花(桜のこと)


花が咲く 見送るだけの 寂しさに


【季語】 花曇(はなぐもり)


花曇 豆苗切る 音がする


【季語】 春嵐(はるあらし)


春嵐 倒れそうなの 恋心


【季語】若葉風(わかばかぜ)


音もなく 君は変わった 若葉風


【季語】 夕涼(ゆうすず)


夕涼に あなたの声が 染み渡る


【季語】 薔薇


紅薔薇 手折れず見ゆる 艶やかさ



【季語】 秋の暮(あきのくれ)


秋の暮 君の姿を 探してる


【季語】 赤とんぼ


赤とんぼ 止まれと願い 竿を見る


【季語】天高し(てんたかし)


天高し 君の背中を 抱きしめる


【季語】秋風(あきかぜ)


秋風の 手土産の品 引き受ける


【季語】新月(しんげつ)


新月に 宙を見上げて 君想う


【季語】月


お願いよ 月まで飛んで 行きたいの


【季語】明月(めいげつ)


明月に キスするように 告げる恋


【季語】月


独りきり 見上げた月は 欠けている


【季語】 十六夜(いざよい)


十六夜が 誘う夜には 君の声


【季語】 林檎(りんご)


林檎の実 君は手に取り 微笑んだ


【季語】冷まじ(すさまじ)


にぎやかな ケトルの音も 冷まじき


【季語】冬隣(ふゆとなり)


朗らかな君の傍でも冬隣


【季語】今朝の冬(けさのふゆ)


今朝の冬 震える君を 抱きしめる


【季語】山茶花(さざんか)


曲道 目に入るのは 山茶花だ


【季語】冬茜(ふゆあかね)


冬茜 君と見るなら 辛くない


【季語】オリオン


オリオン座 笑った君が 愛おしい


【季語】 冬薔薇(ふゆそうび)


冬薔薇 花瓶の中で 香ってる


【季語】 コート


口実だ コートの中で 君を抱く


【季語】息白し(いきしろし)


息白し 君の声すら 目に見える


【季語】大根(だいこん)


咳ひとつ 大根あめを 飲みながら


【季語】布団(ふとん)


布団から 出るまで長い 君だから


【季語】冬の月(ふゆのつき)


冬の月 流れる星を 探す君


【季語】柚子湯(ゆずゆ)


カピバラも柚子湯につかる験担ぎ


【季語】小寒(しょうかん)


小寒 喜ぶ君は 犬なのか


【季語】水仙(すいせん)


水仙の うぬぼれさえも 恋になる


【季語】 大寒(だいかん)


大寒に 自己採点した サクラサク



【季語】春動く(はるうごく)


春動く 水たまりだけ 解けない


【季語】雨水(うすい)


皮膚を切る 帰る道のり 雨水知る


【季語】春(はる)


春が来た 探しているよ 澄んだ声


【季語】春風(はるかぜ)


春風と スキップするの 帰り道


【季語】春コート(はるこーと)


春コート 袖を通した ワクワクと


【季語】春眠(しゅんみん)


春眠 眠り姫だね 朝なのに


【季語】啓蟄(けいちつ)


啓蟄に 虫が嫌いな キミ笑う


【季語】受験(じゅけん)


受験に 最後までキミ 走り切る


【季語】猫の恋(ねこのこい)


猫の恋 独りぼっちの 僕だけど


【季語】春の昼(はるのひる)


春の昼 マグカップには ぬるい白湯


【季語】春雨(はるさめ)


春雨を 弾く傘音 微かかな


【季語】彼岸(ひがん)


牡丹餅を急いで買いに行く彼岸

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る