ガジュマルの樹
のんふぃく。
ここから始まる
暗闇に青白い光がユラユラ
「あなたのなまえを入力してください」
スマホ画面に映る文字
んんっ名前かぁ。よし。
【☆みーたん☆】
本名の望(のぞみ)をもじった名前を入力し、確定ボタンを押した
ここは仮想空間
ヴァーチャル体と呼ばれる仮の姿で世界中のだれとでも交流が楽しめる
どこでもドアなしで世界へいけるのだ
「すっごい時代になったなあ」
ゆうて、わたしまだ19歳だけど
友人におしえてもらったこの仮想空間【LAND(ランディー】というアプリ
なかなかに楽しく遊べそうだ
LAND登録から数ヶ月が経過し、とあるゲーム配信者に注目していた
なにかが変なのだ。ものすごくこう、違和感がある。
その配信者の名前は【hikaru】という
しばらくは普通のコメントを送っていたが、どうやらこの配信者は
ゲームに夢中なのか上の空なのか、はたまた登録ユーザー数が1000人超えの人気物だからか全然自分のコメントを拾ってくれなかった
それはどうでもいいのだが、ひとつだけ確証に近い感覚があって
どうしても聞いてみたかったことがある
スマホ画面で高速フリック入力
「あなたは何番目の人ですか?」
送信…。
自分のコメントのあと沈黙がながれ、数分するかしないかのタイミングで
「疲れたんで、ここまでです。今日もきてくれてありがとうね」
そして、配信終了の画面に遷移した
絶対、そう。この人は解離性人格障害だ
みーたんこと望は看護学生で、いま病棟実習をしている
ちょうど精神科の病棟実習中だった
隠す必要って、あるのかな。確かに生きづらそうではあるけど
余計、生きづらくしてそうだな―――――
答えの出ないことを考えていた
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