第2話

――――3年の1学期の初日


男子がドアのところに、黒板消しをはさんで、来る先生たちにいたずらをしていた。

只今、0勝4敗。一度も成功していない。

そんな大昔のいたずらをしている男子がかわいく見えた。

つぎは5時限目。世界史の授業だ。

先生がドアを開けた。


パコ―――ン!


黒板消しが先生の頭上に直撃した。

初成功を喜ぶ男子達。


先生はびっくりしてたけど、怒ることもなく、チョークの粉をはたいて、教卓の前に立った。


『水原圭(みずはらけい)』

と、黒板に書いた。

「おまえたちのクラスの世界史を担当することになった、水原圭だ。」

「年齢は28歳。」

「趣味というか好きなことは、三国志の研究だ。」

「みんなとは、友達のような関係で授業が出来るとうれしいな。」


チョークの粉をつけたまま自己紹介をする水原先生が可愛く見えた。

これが、水原先生との出会いだった。


つぎは6時限目、科学の授業だ。

先生はドアを開ける前に、黒板消しを取り

「誰だ?こんな子供じみたいたずらをするのは。」

と、言って入ってきた。

――――――イケメン♡

すごくかっこいい先生だった。


「三上進(みかみすすむ)、大学卒業したばかりの22歳だ。」

「年齢も近いし、みんなとは、仲良くなれると思っている。」

「趣味はテニス。部活の顧問もさせてもらうことになった。」


話し方も、かっこいい。

女子の目がハートマークになっていた。


私はどっちかって言うとさっきの水原先生の方が好感持てるな。

だって、三上先生ってプレーボーイのにおいぷんぷんするもん。


「三上先生。彼女いるんですか?」

誰かが質問した。

「残念だが、フリーだよ。」

「やった♡」

喜んでいる女子。

私はちょっと冷めた目で見ていた。

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