複数のAI評価で上位5~10%のクオリティ、でも読まれない──なぜ?②
■ はじめに
前回の「複数のAI評価で上位5~10%のクオリティ、でも読まれない──なぜ?①」ですが……。
ふと、思いました。
「そういえば、あの時って“編集者視点で評価して”って頼んだよな?」と。
じゃあ、「カクヨムで読まれるかどうか」という視点で評価してもらったら、結果は変わるのでは?
と思って、別のプロンプトで再評価をしてみたところ──
📱 カクヨム的Web小説読者視点:評価項目(5段階)
1. タイトルの引き(★★★☆☆)
2. あらすじ・タグの引き(★★★☆☆)
3. 序盤3行の“掴み”(★★★★☆)
4. テンプレ・快感要素の有無(★★☆☆☆)
5. 続きを読みたくなる引き(★★★★★)
……うーんこれは。
あくまで仮説ですが、「クオリティは高いかもだけど、WEB小説読者として、そこまで読みたい話ではないし、そもそも辿り着かない」ということかもしれません。
■ ① AIは“質”を見ていた
感情の描写、構成、テーマの重層性において、高いスコア。
AIが考える「書籍編集者」的視点から見れば、たしかに“いい作品”だった。
つまり、AIは「作品そのものの完成度」を的確に評価していた、ということになります(AIは評価が甘めな点は考えないといけないけれど)。
■ ② 読者は“導線”を見ていた
一方で、Web読者──特にカクヨム読者──が見るのは「タイトル」「あらすじ」「タグ」「最初の3行」。
「これ、自分が読みたい話か?」
「テンプレか?読みやすいか?」
「更新されそう?共感できそう?」
という、“読む前”の情報で判断される構造があります。
そして『占領物』は、そこが非常に弱かった。読み始めるまでの“導線”が高い壁になっていたのです。
作品そのものがダメだったわけではない。
読者の目に入る前に、止まっていただけだった。
あと、やはり「電車の空き時間やリラックスタイムに読みたい話か」というのもあるかもしれませんね。
■ 結論:どちらも正しかった
AIと読者、どちらが間違っていたわけでもない。
ただ、「見ていた場所が違った」──それだけのこと。
AIは中身を見てくれた。
読者は扉のデザインを見ていた。
どちらも正しい。
■ これからどうしようかな
これから必要なのは、『中身』を壊さずに、『扉』を変える工夫なのかもしれません。たとえば、タイトル、あらすじ、導線設計、SNSでの届け方。
WEB時代の創作者は「どう届けるか」まで考える必要があるのかもしれない。
一方で、タイトルやあらすじを変えるのはいいのだけど、「テンプレ・快感要素の有無(★★☆☆☆)」。
正直なところ、この方向に無理に寄せていくのは、私が書きたいものと少し違う──という感覚もあります。
というか、試みたけど無理だわ。
かもしれません。
だからこそ、今の私の結論はこうです:
「バズることは──諦めろ」。
……もちろん完全に、ではありません。
けれど、テンプレの“快感速度”に合わせて物語を歪めるくらいなら、
届け方や導線に工夫を加えて、“じわじわと届く作品”として育てていく。
その上で、賞への応募とか、プラットフォームを変えるとか、そういうことも考えていこうかなと思っています。
テンプレや快感要素を求めない作品の書き手/読み手はいると思うので、そこが解消されるアルゴリズム改変やプラットフォーム登場も待たれますね。
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