春うらら

春乃香 はるのこ

第1話

これが思い出というもの?

気がつけば半世紀も生きてしまった

この窓辺から淡くさす陽の光が、あの日と同じだから…



グラデーションのように優しく、

窓越しでも分かる青空

上からグラデーションように、水色、白、陽の光が並んで、もう、忘れていた頃に戻っていく



学生服は転校生にまだ馴染まず、

同じ空の青さだけを頼りに生きていた



美しく儚げで破壊的な日々も

振り返ればこんなに癒しの物語になるんだね



あの日もこんなふうに窓を覗いていた

青春と呼ばれる悩み事もちらほら、

そういえば恋と呼べるか呼ばないか程度の経験もあった




話す事も出来ない位シャイで、ただ見つめていた校庭



暖かさと冷たさが同居する

なんともヒヤッとした恋の無重力

卒業式の第二ボタン

恥ずかしくてもらえなかった…

もう二度と会えないのに…

そんな卒業、春 うら ら



解凍したこの日の感情は、もうタイムカプセルだから、感じたら終わりだね



長い間温めてくれてありがとう

こうやって人は生きてきた事を確認するんだね



いつでも気持ちは新しいまま

明日の解凍は何歳の時かな?

そんな楽しみもついている

ひとの人生オプション 













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春うらら 春乃香 はるのこ @sdusdu

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