くもとすみれとたんぽぽと

エッフ

【序文】くも

ある蜘蛛の生き方を知っていますか。

バルーニングという言葉があります。

一部の蜘蛛は、自分の糸を気流に乗せて空を飛ぶんです。

風向きとか色々考えて。


でも、無事に新天地にたどりつけるかどうかはわからない。

ベストは尽くしてあとは文字通り風に任せるんです。


運がよければ新天地。

運が悪けれりゃ野垂れ死に。


でも、誰も到達していないようなところに最初に降り立つのは蜘蛛なのです。

出典がない?そりゃそうです。

誰も到達してないところに行ってるんだから、誰も確認はできません。


誰も足を踏み入れたところのないところでたったひとりで死ぬ。

寂しいですよね。

しかしそれも、何度もやれば土を耕して、花を咲かせるかもしれない。


今私が踏んでいる土も、蜘蛛の堆積かもしれない。

自分の足跡に意味がないと思えても、それはわからない。

意味があるかないかなんて、考えないのです。

ただ、良い風を待って、糸を出して飛ぶだけ。


そんな蜘蛛の生き方に、今はちょっとだけあこがれているのです。


【元ネタ】

「パワプロクンポケット」シリーズ

寺岡薫のイベントより

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