桜、散るまで

小田虹里

はらり、はらり……。

舞い散るは白の花弁。


風に揺られ、花は舞う。


ひらり、ひらり……。

舞い踊るは桃の妓女。


囃子に合わせ、花は舞う。


舞い散る花は、何を想うか。

永遠に舞うことを願っていたのか。

それとも、一世風靡し散ることを望むのか。


ゆらり、ゆらり……。

舞い盛るは黒の殿方。


花散る中で、妓女を買う。


踊れ、踊れ、咲き狂う乱れ桜。

出世が約束された身で、花を選ぶ。


花に選ぶ権利などない。

買われる妓女は、香をつけ紅をつけ。

今日もまた、まわる、まわる。


私は桜。

散りゆくときまで、咲きましょう。

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桜、散るまで 小田虹里 @oda-kouri

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