壊れた世界の恋の旅

甘茶

第1話 君と僕と君と私

1話 君と僕と君と私


"君"は言った。


「楽しかったね!」


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僕は目を覚ます。この消えかけている世界で。そうしたら、隣から匂いがしてきた。


「あ、おはよう。」


「おはよう。」


隣を見たら、君がいた。何も変わらず、食べる物を用意している。


「今日はどんな物なの?」


「えーと、この前試して、味が良くなった奴だよ。ほら、赤くて丸い絵が描いてある缶に入っていたやつを、肌色の四角い柔らかいのに乗っけて焼いたの。」


「あ〜、あれか。あれ、好き。」


「味が良いよね!」


そう言いながら君は僕に少し茶色になった物を渡してくる。それを僕は頬張りながら聞いた。


「今日は、どう移動する?」


「うーん、食べれる物が少なくなって来たから、できれば食べれる物がいっぱいある大きい建物に行きたい。」


「なら、あっち方面に行こうよ。確か水没してなかったはずだよ。」


「そうだね、そうしよう!」


しばらく歩くと、食べれる物がいっぱいある建物に着いた。そこで、いろいろなものを物色しながら君を眺めていると


「どうしたの?」


「いや、何でも無いよ。」


「そう?」


僕は最近、君を見ていると不思議な気持ちになる。顔も熱くなるし、長時間直視できない。何かの病気だろうか?そう思いながらも、君に尋ねる。


「これは、持って行く?」


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「いやぁ〜、一応持ってって見る?」


"君"がこの食べれる物を持っていくか聞いてきた。嬉しい。頼ってくれてる!そう思ってしまう。最近、君に対する気持ちがおかしい。昔、記録用紙で読んだ事がある。確か、恋だったかな?


「そろそろ行こっか!」


君にそう言いながら、考える。確か、男女間で起きる感情だったっけ。好きって言う感情らしいけど、好きがわからないなぁ。恋って、難しい。


「どうしたの?」


考えてたら君に呼ばれちゃったよ。とりあえずまた後で考えよう!と考えながら、しばらく歩くと、良い感じの建物についた。


「今日の暗い時間はここにしようか!」


「うん、ここにしよう!」


君にここにすると伝え、中に入っていく。他とは違う高さの高い建物。周りとは比べ物にならない高さ。650mぐらいはあるんじゃ無いかなぁ?


「ここにしよっか!」


「じゃあ、準備するね!」


上へ登って行く途中に、良い感じの広い場所がありここで暗い時間を過ごすと言うと君は寝る為の場所を作ってくれる。はぁ、優しい。かっこいいなぁ。そう思いながら君の横顔を見つめる。でも、私もやる事をやらなくちゃ、と思い出し食べる物の準備をする。


「これにしよう!」


そう言って取り出したのは袋の中にある硬い細い物が丸く固まっている物だ。それを温めた水に入れて、柔らかくなるまでほぐした後に、マトリーショカみたいに入っていたもう一つの袋の中を温めた水の中に入れると、水の色が変わる。そうしたら完成!そうしてそれを二人で食べていると、君が言った。


「ねぇねぇ君。」


「どうしたの?」


「最近、体の様子がおかしいんだ。君を見てると、体が熱くなって、赤くなるんだ。」


「え?!大丈夫?」


そう言いながら薬は無いかと思案したけど、これって恋じゃ無い?と思い君に話してみる。


「君は、恋って知ってる?」


「なに、それ?」


知らないみたいだ。なら教えてあげよう。ふふん。私がいないと何も出来ないんだから。可愛っ!


「男女間で起きる、好きって言う感情なんだって。不思議だよね。どうして好きになるんだろう?」


「もしかして…」


お、気付いたみたいだね。


「そう、恋の症状で体が熱くなったりするんだって!」


「なら、君も恋してるの?」


「え?」


「君も顔が赤いよ?」


言われて気付く。私も体が熱い。顔も赤いのかも知れない。もしかしたらって思ってたけど、私も恋を患ってる?


「…一個いい?。」


「え?」


君が何か言いたいのかな?と思い耳を傾ける。


「僕達は、目が覚めたら偶々目の前にお互いが居て、それまでの記憶も無いけど、なし崩し的に旅をしているよね?」


「うん、そうだね。」


ならさ、と君は続ける。少し、不安そうな顔をしながら。


「好きって言う感情、恋がどういう物かわかるまで、ずっと、ずっと一緒に旅してくれる?」


そこまで言われて私は気付いた。君は私がずっと旅を続けてくれるか心配だったのだ。そんなの、決まってる。


「もちろん!」


そう言いながら私は君に抱きついた。


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作者の甘茶です!短編を書くつもりだったんですが、思ったより上手く書けてしまったので、不定期更新にしたいと思います!月1ぐらいかな?面白かったら♡と⭐︎、フォローお願いします!

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