第3話 自分に向けた呪い
「全員死んでまえ」
誰に言うでもない呪詛を呟きながら社内を歩く。
勿論、周囲に一人も居ないことは確認済みだ。
今まで生きてきた中で常に考えていたこと、それは「勉強したくない」「働きたくない」の2つだけだ。
なのに勉強しなきゃいけなかったし、働かなくてはならなくなった。
好きでもないことを延々とやり続ける日々。
いっそ人類が滅亡すれば、俺は仕事をせずに済むのに。
だから全員死んでくれ。
オレを含めて死んでくれ。
実際は俺一人が死ねば解決する話だが、それだと淋しいから一緒に死んで欲しい。
ああでも、今俺が現時点で俺しかできない仕事を抱えた状態で死んだら周囲の人が困るだろうな。
それが見れたら腹抱えて笑い転げるのに。
絶対面白いだろうな。
良いなぁ、見たいなぁ。
でもできないな。
なぜなら俺は自分がかわいいから。
死ぬ勇気がないのだ。
身辺整理とかめんどいし、事故物件を作り出すのも申し訳ないし。
やはり樹海に行くべきか。
そういえば
「おい、このニュースマジか」
「CG……、じゃないんだな」
おっと
休憩室で知らない社員2人が携帯を覗き込んでいる。
独り言はここいらでやめたほうがよさそうだ。
俺のネットニュースは犬と猫で埋まっているが、特大のものであれば飛び込んで来る。
多分、これのことだろう。
まじかよ。
〇〇山脈の上にUFOだと。
焼きそば食いたくなってきた。
今晩はカップ焼きそば買って帰ろう。
超大盛のやつ。
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