第4話

今日は運が良い!

昨日まで違う場所で営業していたTCGショップが閉店したからだ。

どうも売り上げ不振を理由に撤退したらしい。全く、なんて不甲斐ない店だ!

私が代わりに営業してやるぞ!


今日狙うのは新発売のTCG。

私はこれを逃すまいと目星をつけていた。

別の店の前に向かうと、近くに止まったフルスモークのハイエースから黒ずくめの男たちが降りてきた。

いいぞ...いい景色だ!


私はバールを肩にかけ、その集団に近づいた。

「何しに来た!?」と叫び、一人の脳天にバールを振り下ろす。

「ウグァ!」

男は白目を剥いてその場に倒れた。

この感触は何度味わっても最高だ!


「な、なんだお前は!!」黒ずくめの男たちが慌てて銃を向けてくる。

しかし私は動じない、なぜなら私はTCG強盗太郎だからだ!

「私はTCG強盗太郎だ!貴様らの金を根こそぎ奪い取りに来た!」


その隙に店内に侵入。

このTCGショップは2階が事務所になっている。2階には誰もいない。

よし、まずは1階で金品を物色だ!


レジの前で「金だ!金をよこせ!」と叫ぶ私。「ヒィー!」店員は怯えつつも、特殊警棒を私に向けてきた。

私は即座にバールを振りかざし、男は白目を剥いて倒れた。


2階に上がり、金庫がありそうな豪華な扉を発見。

バールでこじ開けると中には札の束とレアカードの束が所狭しと並んでいた。


やはりTCGは儲かるのだな!


下から上がってくる黒ずくめの集団をバールで打ち据えつつ、持参したバッグに金庫の中身を詰め込み、店を後にした。



今日は目出し帽を被っていないのに、やたらと声をかけられる。

これが非日常か。

悪くない、むしろ良い!


調子に乗った私はまたTCGショップへと繰り出した。

狙いは新発売のカードだ!


「金だ!!」と叫ぶ私!

しかもツイてるのかたまたまなのか、昨日の闇バイト連中や黒ずくめの連中はいないようだ。


よし、今日も一仕事終えたし、機嫌がいい。

コンビニ強盗に入ることにしよう!


コンビニに目出し帽とバールを携え乗り込んだ。

「金だ!!」と叫ぶ私。

しかしレジには誰も立っていない。

おかしい、これはおかしい!

店内はもぬけの殻で客はおろか店員すら見当たらない!


私は慌てて店を出た。

「何事だ!?」と叫んだところ、目の前にパトカーが止まり、警官たちがゾロゾロ降りてきた。

私はカウンター奥のペイントボールを警官たちに投げつけ、奴らが怯んでいる隙に走って自宅に帰宅した。


危ないところだった…。

しかし、こんな私によくぞ警察が襲ってきたものだ!


それだけ世の中が平和だという証拠だ。

悪い気はしない。

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