第49話 やりきったわ
津旅監督の弟子対決になった鈴丘学院と元別高校の対戦は
最終7回表を迎え、追加点を狙う元別高校は3番からの攻撃なのだ
しかし、7回を迎えても涼音ちゃんのストレートは衰えず、
緩急をつけた変化球を織り交ぜたことで元別打線は的を絞れず
三者凡退に仕留められるのだ
大橋「OK!OK!あと1回!」
葵が選手を集めて円陣を組んで指示をだすのだ
葵「これだけ制球が乱れている中でナックルを投げられたら
絞り切れません
好球必打あるのみです。バットを短く持って、ステップも小さく、
叩きつけて野手を抜いていきましょう
大きいのは要りません。チーム力で勝ちましょう!」
最後まで諦めない鈴丘学院選手たちは士気も上がり、
声を出していくで~
元別高校ベンチも負けじと声を出し
両校応援席もヒートアップ!
9番 朱音 制球が乱れる中、ナックルを引っ掛けてセカンドゴロ 1アウト
1番 結衣 甘く入った3球目を叩きつけ、
3塁線を破ってレフト線深く転がり、2塁打! 1アウト2塁
2番 栞 4球目のアウトコース速球を逆らわず右方向へ流し打ち!
ライトフライに結衣がタッチアップで3塁へ! 2アウト3塁
葵「スズ、任せたぞ」
涼音「うん!」
いよいよ大詰めなのだ
2アウト3塁の場面で3番 涼音ちゃんなのだ!
1球目 キャッチャーが内角に構えるがアウトコースへ
ストライク 0-1
2球目 アウトコースへ大きく外れて 1-1
3球目 真ん中低めのナックルを空振り 1-2
4球目 外角へわざと外して 2-2
葵が打ての合図
5球目 インコースのストレートに対して、涼音ちゃんが強振するのだ
葵「よし!」
確実に芯でとらえたはずの打球は・・・ショートゴロ!
葵「カットボール・・・温存していたのか」
カットボール 投手にもよるが球速がストレートとほぼ同じで打者の手前で
小さく変化するため、芯を外したり空振りさせるのに有効である
涼音ちゃんがヘッドスライディングするものの
審判「アウト!」
涼音ちゃんは起き上がれず、
1塁ベースコーチャーの朱音に支えられながら、
挨拶に向かったのだ
「あれは、よく当てたよ。ナイスバッティング!スズ」
審判「試合終了。元別高校、1対0で勝利」
「ありがとうございました」「ありがとうございました」
両チームが握手を交わし、言葉を交わすのだ
「必ず、優勝してください」「ナイスゲームをありがとうございました」
整列した選手に涙はなかったのだ
葵「彼女たちはやりきったね」
飛鳥「そうだね」
葵「オレは反省して、もっと野球を勉強しなきゃ
大橋監督に教えられたよ」
選手たちがベンチに戻って来て
葵「ナイスゲーム!いい試合でした
オレが」
葵の発言を
瑞穂「葵ちゃん。ありがとう
葵ちゃんがいなければ、私たちはこの舞台に立てなかったし
こんな試合はできませんでした
感謝しかないよ」
他の選手たちも
葵「じゃあ、むぎゅしてくださ~い♡」
ぱこーん! アヘ
葵「スズ~叩かれた~むぎゅして~♡」
涼音 ぱこーん! アヘ
【二人だけだったらいいけど♡】
大橋「楽しそうでいいな~うちもイケメンコーチを入れようかしら♡」
後藤「何を言ってるんですか、
ぼくのお牛ちゃん。ぼくがいるじゃないか!☆きらりん☆」
大橋「後藤、お前は女子じゃねーか!」
後藤「それを言われると元も子もないのに~(つд⊂)エーン(泣)」
山本「よしよし、そこまで言わなくてもいいのにね
あとで、🍬アメちゃん買ってあげるからね。泣くのはおよし」
後藤「ほんと~う♡」
飛鳥「なんか元別高校のベンチも楽しそうですね」
葵、部員たちは応援の怜校長や藤ちゃん、先生、父兄たちと
球場の外で合流したのだ
葵と一緒に帰れると思った涼音ちゃんはメガネをコンタクトに変えて
女子力を解放する気満々なのだ
怜「みなさん、お疲れさまでした。ナイスゲーム!
1、2年生だけでそれも10人でここまで戦えたことは凄いことです
胸を張って鈴丘に帰りましょう
葵ちゃんもお疲れさま。すっかり監督らしくなって
この経験はみなさんにとって長い人生の糧となり、自信となるでしょう
この後はゆっくり休んでください」
葵「先生方、父兄の皆さん、応援ありがとうございました
残念な結果になりましたが、選手たちに悔いはありません
彼女たちはやり切りました。ぜひ、褒めてあげてください
そして、次はもっと上を目指します」
瑞穂「先生方、お父さん、お母さん。応援ありがとうございました
監督も言っていましたが、私たちはやり切りました
このチームで野球が出来ることを誇りに思います
そして、私たちの戦いはまだまだ続きます
引き続き、見守ってください。ありがとうございました」
そして、ここで父兄たちとは別れて選手たちはバスで鈴丘に帰るのだが、
そこへ、元別高校の監督、選手が現れたのだ
大橋「工藤監督、ナイスゲームありがとうございました」
葵「こちらこそ、監督の差を見せつけられました
今度は、僕が大橋監督に弟子入りしていいですか?」【社交辞令です】
目が♡になり
大橋「ぜひ、来て欲しいのね~♡ライン交換しとこっか♡
電話番号は♡いつ来る♡私の家に住む?♡好きな食べ物は何?♡
布団派?ベッド派?♡朝はパン?ごはんがいい?♡」
山本「はいはい、監督~こっちに来て落ち着きましょうね~」
後藤「ポンコツ監督ですみません」
瑞穂「いえいえ、うちはもっとエロポンコツなので」
「お互い大変ですね」
一同、納得!
藤ちゃん「じゃあ、ぼくが行くのね~♡ベッドでお願い~♡」
大橋「結構です」【現実、回帰】
後ろからムツミちゃんが現れて
ぱこーん! あへ
大橋「師匠!お久しぶりです」
睦「大橋ちゃん、立派な監督になったわね」
大橋「ありがとうございます」
睦「あとは、調教する相手を見つけるだけね」
大橋「見つけました♡」【葵に再び、ロックオン】
睦「彼にはスズちゃんがいるからダメ!」
大橋「はい、すみません」【現実、回帰】
後藤・山本【大橋監督が一瞬で現実に回帰した!この人は何者?】
津旅監督には弟子入りしない方がいいかもね~
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