第12話 喧嘩

 また夢を見た。


 もう夢なんて見たくない。うんざりだ。疲れ果てた。


 夜中、布団の中で寝ようとしている夢を見ているようだ。


 早速、お友達の不安な思考に魂が乗っかって巻き込まれていた。


 生き地獄の幕開けだ。





 どうしよう。


 先輩、ずっと無理して話しかけてくれてたんだ。


 私だって、好きでもなんでもなかったり、嫌いなやつ相手でも、放っておけない子がいたら面倒見ちゃうし、先輩もそんな風に無理して話しにきて面倒見てくれてたのかな。


 そういえば、今まで知り合ってきたほとんどの人がそうだった。


 みんな嫌そうに怒りながら面倒を見て相手してくれてた。


 嫌なら関わってこなければいいのに。


 それでも放っておかれなかったのは、みんなが優しいからだと思って感謝はしてきた。


 でも、怒っているのを見るのが好きじゃなかったから、無理しないで放っておいてほしかった。


 先輩のことは大好きだから、そんな風に無理も無茶もしないでほしいし、嫌だって気持ちに蓋しないで自由にしていてほしい。


 そう考えるなら、もう無理して関わらなくていいって伝えた方がいいよね。




 ん?先輩?友達じゃなくて?


 旅立ち前、学校に立ち寄って鏡で様子を見たとき、教室で楽しそうに話していたユキのことを思い浮かべた。


 そういえば、この夢で私の魂が乗ってると思われる人の姿……タマの姿をまだ見ていない。


 豚くんたちを偏見と先入観で見ていたように、この夢の視点も決めつけていやしないか?


 心臓が激しく脈打つ。


 お前はいったい誰だ?そういえば、これはいつの話なんだ?


 考えるうちに、また鬱になりそうな思考の波に襲われた。もうこりごりだ。




 ずっと無理させてたんだ。好きでもなんでもない漫画の話題に付き合わせちゃって……。


 ボロが出るって、そういうことでしょ?無理して話を合わせるのに疲れてボロが出るってことでしょ?


 なのにいつもあんなに楽しそうに話してくれて……。


 先輩って、演技がとってもうまいってことでもあるね。すごいや。でも、それは部活の間だけで良いってちゃんと伝えないと。もう無理しなくて良いって。




 聞いててため息が出そうになる。


 そんなに好きなら好きと言えば良いだろうが。


 その言葉がブーメランになって心に突き刺さる。


 私だってユキに好きだと言えてないし、言うつもりがない……。


 それにしても……。


 タマの思考回路も行動も、自分に少し似ていると気づいて、自覚がある上でめちゃくちゃ腹が立ってくるのを感じた。


 腸が煮えくり返りそうな不愉快さ。うじうじしないで素直になれよ。


 自分に対しても徐々にイライラしてくるのを感じながら、次の思考の波に立ち向かった。




 先輩って本当に優しくて天使みたいな人だったんだな。


 だって、嫌だったり無理して話を合わせてくれてたのに、あんなに素敵な笑顔で笑いかけて楽しく話してくれて……。


 私だってそんなことできないよ。今まで接してくれた人たちだってそんなことできやしなかった。本当にすごいや。


 知り合えた上に、優しくしてくれた思い出があるだけで私は十分だから。


 あとは全力で応援して、もう無理もなにもしなくていいようにするから。




 目の前にいたら間違いなくひっぱたいてたろうな。


 腹立たしくてもどかしくていてもたってもいられない。


 自分に対する嫌悪感まで掻き立てる。こいつはいったい誰なんだ。ユキにタマって呼ばれてることしか知らんぞ。




 イライラしながら心の声を聞いていると、夢でよくある場面の急転換が挟まった。


 夢で見慣れた教室の景色、見慣れたユキの優しい笑み。


 誰かわからんこいつ……タマが、勇気を振り絞ってユキに話を切り出しているところだった。


「あのね。無理しなくていいからね?もし……私と話すのがしんどかったり……嫌だなって思ったら……無理しなくていいから。応援もしてるし……あんまり話さない方がいいんじゃないかな」


 途切れ途切れになりながら、つぶれそうなくらい心臓が苦しくなりながら、一生懸命言葉を振り絞っていた。


 ユキは無表情になってその言葉を受け止めている。


 ユキのこんな顔、初めて見た。


 タマがユキの目を見ないよう顔を伏せたから、ユキの顔が視界から外れる。


「急にそんなこと言われてもわからない」


 ユキの少し怒ったような声が聞こえてきて、冷や汗とともに走ったあとのような苦しさに見舞われる。


「あのさ、ウチ、タマちゃんを怒らせるようなこと言った?」


「??怒ってないよ。先輩が無理してるのかと思って」


「いや、怒ってるでしょ?」


「怒ってるのはそっちでしょ?なんで私が怒ってるって言われてるの?」


「怒ってないのに怒ってるって言われて怒らない人いないと思うけど?」


 タマは少し声が震えているし、隠してるようだけど足も手も震えて泣きそうになりながら返事をしていた。最初のうちは。


 本当に何がなんだか訳がわからなくて、パニックになりそうな様子だった。最初のうちは。


 徐々にエスカレートし、二人は言い争い、部活のメンバーらしき人達は口を挟まず見守っているようだった。最初のうちは。


「いつも仲が良いのに珍しいね」や「あんまり喧嘩続けるようだと部活を辞めてもらう」なんて言われ、ユキが一つも話を聞かないとタマは心の中で腹を立て始めている。


 ユキはユキでわかってないのはそっちだとタマに対して言っているし、見ているうちに、なんで私がこんな目に遭わされないといけないのかと思わずにいられなかった。


 しまいにはユキが部活を辞めると言い出した。


 タマの内心は、やめてほしいと思われてるのはこっちなんだろうと薄々感じているようだった。


 きっつい。寝るたびに変な夢を見させられるし散々なんだけど?ゆっくり休ませてもらえる?


 休みたいのに休めないだけじゃなく、ユキの見たくなかった、知りたくなかった言葉と振る舞い、会話の流れを見聞きしてしまった。


 正直なところショックだったけれど、人という生き物には誰しも嫌いな部分があるし、全部好きで嫌なところひとつない関係なんて存在しない。


 精霊たち、ロボットたちと暮らしていて、嫌だなとか、イライラするなって部分はもちろんある。


 寄ってたかっておちょくってきたり、からかってきて疲れる瞬間があるからね。


 嫌な部分のない物事は存在しない。


 でも、ユキの返事や会話の仕方が、今まで奴隷時代に性悪してきた連中と似通っていたのがすごくショックだった。


 きっと、人には誰しもそうなりうる環境やトリガーってもんがあるんだ。


 そう言い聞かせつつも、トラウマというのは恐ろしいもので、ユキが意地悪をしてきていた連中と重なって見え始めてきつかった。


 ユキへの気持ちが冷めかけてるのが辛い。


 それだけでなく、言いたいことをもっとわかりやすく言えないで、苛立ちを募らせているタマのこともきつかった。


 いきなり言われてもわからないのなんてお互い様だけどな。こないだの好きな人や無理なことを話したユキといい、いきなり無理するなって言いだしたタマといい。


 なんでこんな夢見ないといけないんだと、呆れながら様子を見ているしかできないのが、ひたすら地獄でしかない。


 こんな夢見るくらいならゆっくり寝てたい。夢も見ずにぐっすりと。


 しんどくなってから断片的にしか会話を拾わなかったけれど、大体の流れはこうだ。


 まず、ユキがどうしてそんなことを言ったのかタマに聞いた。


 タマが返事をしている途中なのにユキに否定されたり話を遮られ、順番通りに説明しているのに話を遮るなと怒っていてかなり笑わされた。


 コントか!


 話が進まないし、怒った怒ってないの論争が何度も勃発し、タマは話し合いができなくて正直とてもイライラしてはいるものの、自分なりに抑えているつもりらしかった。


「順番通りに話す上に、思ったことを隠さず素直に全部言うのはどう?二人の要求が入ってると思うけど?」という理知的そうな部活のメンバーからの助け舟のもとで、二人の話し合いが再開した。


 タマがなるべく順番通りになるよう話をし、どうしてあんなことを言い出したのか、理由と思ったことを素直に話していた。


 タマはまず、今の話をするきっかけになった出来事から話していた。


 ユキが話した好きな人のこと、漫画が実は好きじゃないこと……。


 ユキが好きな人の話をしたとき、他の人が同じ人を好きなのが嫌なくらい好きなんだと思ったから、素直に応援しようと思ったこと。


 今まで好きなものをたくさん話してくれたけど、好きな人の話をしてくれたときの会話で、実は他人が同じものを好きなのが嫌なんじゃないか?無理させてるんじゃないかって思ったことを話していた。


 ユキはそんな人じゃないと思いつつ、確認したくてあえて言ったようだ。わからないと、どうすべきかがわからないから。


 次に、漫画が好きじゃないのにいつもニコニコしながら話してくれていたのも、無理に会話に付き合わせていたのかと思ったことまで話していた。


 それはタマが、嫌なやつ相手でも無理して手助けしたり尽くしたり放っておかないところがあるから、ユキもそうなのかと思ったようだった。


 タマはニコニコしながらそんなことできないのに、ユキはできててすごいなと思ったから、褒める意味と目的も兼ねていたようだ。


 しまいにはタマは心の中でも泣きながら話していて、ユキは慌てたあとなだめながら我慢強く聞いていた。


 ユキは黙って話を最後まで聞き終えると、話の流れと順番、内容を確認しながら、一つ一つ訂正していった。


 まずは漫画について無理をしてはいないこと。そして最後に好きな人のことについて。


 タマが好きな人について突っ込んで聞こうとするとユキは避けて答えず、「この話はなしにして、全部忘れよう」とお願いしていた。


 タマは首をかしげたけれど、ユキは手を合わせてお願いしている。


「ちゃんと忘れられるかわからないよ」


 タマは自信がなさそうだった。


「大丈夫だよ。できるよ。タマちゃんは良い子だから」


 タマはプレッシャーになりながらも、頑張ろうとは思っていたようだ。良い子だからと言われるのが嫌だったようだけど。


 でも、自信がないし不安も心配も山積みで、忘れる努力をする前にユキに質問をしていた。


「多分ね、声優さん好きだから、先輩のお願い通りに忘れたら、好きにならないでって言った人のこと好きになるかもしれない。そのときは怒る?」


 ユキは少し間を置き、笑いながら首を横に振った。


「わざとじゃないならいいんじゃない?」


 それでもタマは思うところがあったようで、また一つ質問していた。


「約束だけ忘れず覚えてたとしても、その人が演じてるかどうか、声だけじゃわからないかもしれない。このキャラ良いなって思った時、その人が演じてたら?」


「それも同じだよ。わざとじゃないなら良いと思うよ」


 その後、二人はお互いに約束事を交わすよう部活のメンバーたちに言われた。


 タマはこのことを忘れて、ユキに秘密を作らず素直に打ち明ける事。


 タマのユキに対する要求は、タマの心の声がでかくて良く聞こえなかったけど、そもそも何も要求するつもりがないようだった。


 しかし、本当に何もなくていいの?なんて聞かれ、無理に願いを考えた結果、仲良くしてほしいと願ったらしい。


 周りは「どんな関係として?」なんて聞き返している。


 いつも通り友達として接して欲しいとタマが言うと、なんだか残念そうな雰囲気になった。


 ちなみに、何の声がでかかったって、ユキがタマに約束させるとき「いじめられてても隠さないで」と言った時だ。


「いじめられたのを素直に打ち明けたら先輩は絶対無茶する。危ない目に遭わせるかもしれないし、一緒に辛い思いをさせる。いじめっていじめられた側がいじめだと思ったらいじめになるんだから、私がいじめられてるって自覚なんてなければ……。いじめられてるとか一切思わず、誰にも何されてるか打ち明けなければいいんだ。そうすれば巻き込ませないし無理させずにすむ。だって、そもそも最初からいじめられてなんてないんだもの」なんて、心の中で早口で言っていて、あまりにうるさすぎた。


 周りの人は「好きなんだなー」と言いながらあたたかく見守り、仲直りが無事に終わって一段落したところで部活動が始まった。


 めでたしでいいのかな?


 首を傾げていると、ユキが泣き、部活のメンバーが慰めながら「気持ちがわからないのはどっちだ」「バカっていったほうがバカ」なんていっていた。やばいとかいろいろと。


 タマは自分のせいで泣かせたことはわかっても、なぜ泣いているのかさっぱりわかっていなかった。


 わかっていない上ではあるけど、また何をしても悪者にしかなれない。悪者にしかならないんだって諦めもしていた。どう転んでもそうなるんだと。


 またタマの鬱思考が始まる。




 いつもそう。


 関わってきた相手側の肩を持つ人はいても、誰も私の気持ちなんて理解しないし、誰も味方する人なんていない。


 今回だってそう。


 誰も私の言ってることなんて、どうせわかってくれない。いつも片方の話だけ。


 いつも先輩は漫画の話を分かってくれて、楽しく話してくれていたのに、今回はちっとも話を聞いてくれなくて、理解もしてくれなくて、どういえばわかってもらえるのかわからなくて、なにひとつわからないよ……。


 どうせ私が悪いんだ。だって、どうして先輩が泣いているのかなんてわかってやれてないんだから。


 人のこと言えないのに、馬鹿とか酷いこと言っちゃった。


 人と関わると孤独にしかなれない。


 一人でいるときの方がこんなに寂しく思わないなんて。誰と関わっても毎回そう。それなら最初から一人の方がずっと良かったのに……。


 どうして誰かと仲良くなれて嬉しい出来事があったあとには、こんなにも胸が張り裂けそうなくらい苦しくて辛いことしか起きないんだろう。


 ずっと幸せな時間が続いてくれたらよかったのに、どうして?




 タマのうるさい心の声を聞きながら、何とも言えない気持ちになっていた。


 タマのことは嫌いだし、目の前にいたらひっぱたいていると思う。


 でも、なんだか似たような経験をして、似たような考えをしていて他人事と思えないところもあって……。


 部活とか無理にやらないで帰ったら良いのに。


 そんなに人と関わって報われないなら、関わらずに満たされる生き方をするんだよ。


 でも、誰かとのやり取りでしか癒されない傷ってのは確かにあるんだよなあ。


 ただ、私は片方の話を聞いて片方の肩を持つようなことはしなかった。


 ユキの心の声も聞けたら良かったんだけどな。


 むしろ、ユキ側の気持ちを聞いてみたかったな。なんでこっちなんだ?




 それからしばらくし、ユキはいつも通りに振舞っていた。


 タマもそれ以上何も聞かずに前のように仲良く会話して普通に接して過ごしていた。


 一人の方がましだとか言いつつ、また仲良くしてもらえるのがすごく嬉しかったらしい。


 しかし、ユキからなかったことにしようとお願いされたのに、「ウチは馬鹿だから」なんて自虐を毎回される上に、「このキャラクター暴力的じゃなかったら好きなんだけど」と前置きをしたあと「タマちゃんはそんなことしないもんね?約束覚えてるよね?」なんていって、答えづらい聞き方をしながら約束を利用されていた。


 タマは約束がこうやって人を支配して操るのに使われる便利な道具なんだと理解し、徐々に約束が嫌いになっていった。


 一方的に黙らせる約束とやり方をされ、嫌な話し方をされ続け……。


 やはり、人というのは律儀なほど、義理堅いほど損をすると確信させられた。


 律儀になる相手は慎重に選ばなければならない。


 時には関係を終わらせること、約束も終わりがなければならないと気づいた瞬間でもある。


 タマはというと、ユキのことが嫌いになりつつ、嫌われたくないし、傷ついてほしくないと思っているようだった。


 それに、優しくしてもらった事実が消えてなくなるわけじゃないという理由だけで、ユキへの気持ちを繋ぎ留め、心の中で屁理屈こねながら返事をしていた。


 本当は小学生の頃は暴力的だった。でも、ユキはいつの話か添えてきいていない。


 今は教室で背中を叩かれたりつつかれたり嫌な絡み方をされても、頭を叩かれても、やり返してないし暴力的じゃない。


 聞くときに使われたキャラクターのことも嫌いになりながら、嘘はついてないと心の中で言い訳して返事をしていた。


 キャラクター使って人と重ねて聞いてくるのやめてほしい。それが素直な気持ちだったようだ。


 ユキは今まで一度も?なんて畳みかけるように聞いていて、タマはこれには酷く困った様子だった。


 叩いたことがあるって言ってしまうと、いじめられたこともあったことになる。いじめられたことなんてなかったことにしているんだから、叩いたこともなかったことにしないと……。


 タマはつきたくもない嘘をつかざるを得ないことばかり聞かれ、もう質問されるのが嫌になっていた。もう口も利きたくないと。


 タマは質問攻めでしんどくなって、「昔のことばかり利くならもう話するのやめよう」と切り出すと、向こうが困ると言って悲しそうにしていたから、もう関わるのをやめようと言えなくなっていた。


 でも、それでも、突き放そうとしたのにまだ仲良くしようとしてもらったことが今までなかったから、ほんの少し嬉しかったようだ。


 そこまでして仲良くしたいって思ってもらったことがなかったから。その上、嫌だと言ったらちゃんと聞いて直してくれたから、しつこく嫌だというのはやめるべきとも思っていたらしい。


 それに、人という生き物には誰しも嫌いな部分があるし、全部好きで嫌なところひとつないなんて関係は存在しない。なんて、同じことを考えていて少し生意気だと思った。


 別に同じこと考えたり思うのなんて構わないし被ることがあるのなんてちゃんとわかってるよ?でも、なんだかすごくむかついた。




 こうして、二人の喧嘩の夢は幕を下ろし、普段と一見変わりないような生活を送っているように見えた。


 しかし、ユキの理不尽なやり方と接し方に対し、先生が注意するまでタマの我慢が続いていた。


 なんて歯がゆくて、もどかしくて後味の悪い夢なんだろう。一方だけ集団で黙らせて、汚いやり口だ。


 なんだかこの夢、私のユキへの気持ちを断たせて殺しにかかってないか?生きるための気力にしているのに、わざわざそれを挫こうとしているような。


 頭から血の気が引くのを感じつつ夢とお別れした。


 どうしよう。これから毎晩、寝るのがすごく怖い。夢が私を殺しに来ているのか、それとも何かを知らせようとしているのか……。


 夢に抗ってずっとユキを好きでいられるだろうか?私は本当にユキが好きなのか?それに、タマって何者だ?このユキは本当に私の知ってるユキと同じなのか?


 様々な疑問を抱えながら意識がさえわたっていくのを感じる。


 たった一つの強い意志があるだけじゃ生き残れない。


 一本だけの柱しかない心じゃ、折れてしまったら後がない。


 見つけないと。生きるための理由と支えを。他にもたくさん。


 夢は私を殺そうとしているのか、はたまた生きるための術を教えているのか、さっぱりわからなかった。


 結局、活かすも殺すも自分次第ということだろうな。


 意識が体に戻った瞬間、全身、特に肩の激痛にうめき声をあげながらの最悪な寝起きを迎えることになった。

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