畔の叢

かつて少なくない門下生を抱えていた刃鳴流だったが、今や片田舎に一人の師範代を持つのみとなっていた。
そんな中、師範である忠邦が懇意にしている数少ない他道場、橘八相流師範との交流が途絶える。
道場のある村に行った、手紙を託した行商までも帰ってこない。
状況を怪しんだ忠邦は、様子見に師範代を遣いに出す。
後ろについてきている小さな影に気づかないまま、師範代は道を急ぐ。

そこに地獄が待ち構えていることなど、誰もが想像しないままーー特に何の変哲もなかった筈の志谷村に剣士が集う。
続・純剣術短編。