幽玄艶歌:二【短歌】
幽玄艶歌:二【短歌】
幽玄艶歌:二
『人ならざる恋』
■丑三つに 淫らに乱るる 艶姿 障子に映る 影ぞ妖かし
うしみつに みだらにみだるる あですがた しょうじにうつる かげぞあやかし
■夜に濡れ 絡め取られる 蜘蛛糸に 煌めく金剛石が あなたを飾る
よるにぬれ からめとられる くもいとに きらめくダイヤが あなたをかざる
■永遠を 望む乙女の 首筋に 突き立つ牙の 甘美な痺れよ
えいえんを のぞむおとめの くびすじに つきたつきばの かんびなしびれよ
■妖刀の 鋭き力に 見せられて 鞘となりし身 血みどろで笑む
ようとうの するどきちからに みせられて さやとなりしみ ちみどろでえむ
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短歌集『幽玄艶歌』その二は『人ならざる恋』。
人ならざる存在との恋をモチーフとした四首となります。
一つ目は、障子越しに映る秘め事。しかし揺らめくその影は、人ならざる姿。
二つ目の人ならざる存在は大蜘蛛。織物の如く張られた巣に光る夜露は何よりも美しく輝きます。
三つ目は定番、吸血鬼との耽美な恋。柔肌に滲む血の紅は極上の葡萄酒めいて。
最後は、妖刀に魅せられしもの。鞘無き刃の煌めきに、自らの身を鞘とする喜び。
それにしても詩だの俳句だの短歌だのは、一作作るのに通常の短編一本分ぐらいの労力と時間が掛かるのに対し、読むのは直ぐなんですよね。
何だか割に合わないというか……。
でもキャッチコピーなんかもそうですが、膨大な言葉の中から相応しいものを探す作業は結構好きだったりもします。
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