サリーは「今度こそは」と心に決めて、地上に降り立った。

公園には、いつものように蘭ちゃんがいた。

「こんにちは。」

サリーが声をかけると、蘭ちゃんは驚いた表情で振り向いた。

「えっ、誰？」

その瞬間、サリーはハッとした。

――しまった！

サリーは、自分が以前、人間の姿で蘭ちゃんに会っていたことを思い出したのだ。

天界には厳しい掟がある。

天使は、人間に正体を知られてはいけない。

もし姿を見られてしまったら、すぐに天界へ戻り、その人の記憶を消さなければならない。

つまり、今までの蘭ちゃんとの思い出――

おしゃべりしたこと、笑い合ったこと、全部が…なかったことになってしまう。

サリーは、重い気持ちを抱えながら天界に戻った。

大天使様に呼び出され、こっぴどく叱られるサリー。

そして、蘭ちゃんの記憶から、サリーの存在はすっかり消されてしまった。

サリーは深く反省した。

しばらくは、蘭ちゃんに会うことも許されない。

でも、心は決まっている。

反省期間が終わったら、また一から蘭ちゃんと関係を築こう。

「今度こそ、絶対にうまくやるから。」

そう決意したサリーだった。

サリー、次はきっと大丈夫！

おわり

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