第三の目が開くとき
アオヤ
第1話
2025年の夏は終末思想が流行していた。
『巨大な津波が襲って来る』とか『隕石が落ちてくる』とか……
僕は7月5日はこの世の終わりを迎える日だと信じていた。
でも、結局何も起こらなかった。
7月6日、僕は眠い目を擦りながらいつもの退屈な日常へと身を委ねていく。
溶けそうな程暑い日差しを浴びてると『いっそ一思いに殺してくれ』と言いたくなる。
僕は暑さに抗がう事も出来ずにぼんやりと7月6日という時間が過ぎるのを待っている。
スマホの中はこの暑さに負けないくらい次の終末思想でヒートアップしていた。
ネットでは『本当の終わりの日は8月15日』なんて文字が並び始めている。
8月15日は終戦記念日で旧盆の中日だ。
いかにも何かが起きそうな日じゃないか?
父から聴いた話だと30年位前のお盆の時期には『あなたの知らない世界』という番組がお昼に放送されていて不思議な気持ちに成ったそうだ。
不思議な体験?
不思議な体験って何だ?
ネットで騒がれている都市伝説、8月15日は『日本人の第三の眼が開く日』だそうだ。
何それ?
『日本人が超能力か魔法を手にする』
という事なのか?
酒の席で『男が30歳まで経験をしなかったら魔法使いに成る』とかいう戯言を聞いた事がある。
8月15日を過ぎたら日本人はみんな魔法使いに成れる?
僕はどんな魔法が使える様になるんだろうか?
ちょっとだけ嬉しくなってきた。
ネットで騒がれている都市伝説。
期待しないでこころの準備だけしておけば十分だろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます