第2話 結愛が小学三年生の頃 ②
結愛「お兄ちゃん、知りたい事があるの」
祐介「ん?結愛はどの教科が教えて欲しいんだ?」
結愛「違うでしょ?お兄ちゃん。勉強で解らない所なら教えてって言うでしょ?結愛は知りたい事って言ったんだよ」
祐介「そうか。でも、勉強の事ならまだそんなに忘れてないと思ったのにな」
結愛「勉強はまだ大丈夫かな。学年でも良い方だと言われてるの。それに(そこは結愛、そこも結愛)って五回も呼ばれたら、お腹いっぱいでギブしちゃうから無理だと思う」
祐介「名前なのに?」
結愛「その得て不得手は人によって違うでしょうけど、集中力を乱すからダメな方だよ」
祐介「それなら坂上さんでどうでしょうか?」
結愛「それはもっとダメ。お父さんがお母さんを名前で呼んだ時に、えらく怒ってた気持ちが良く解った」
祐介「それが解らないよ。お母さんに(これから頑張るから名前を呼んでね祐くん)良く頼まれる事はあるけど」
結愛「お母さんは平気でそういう事をするのよね、あの人お兄ちゃんが大好き過ぎ」
祐介「それはここでは置いといて、どんな事が知りたいのですかね?」
結愛「お母さんに、今夜はお肉とか魚が食べたいとかお願いすると、今日は準備が無いからって断られる時が有るんだけど、お兄ちゃんが断られた時が無かった気がしたの?そこは覚えていないかな」
祐介「その注文の範囲の違いじゃないか?肉料理なら何でも、魚料理なら何でもだったら問題にならないからだよ。それと結愛は、割と好き嫌いがあるから」
結愛「それは知っていたんだよ。そもそもこの質問が間違った事も、お母さんの得意な料理で構わないって良く言ってた事も。そして結愛が料理をしたら、美味しく食べてくれる事も」
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