傷つけた先は未来
やり遂げたのだ。
天に剣を掲げここに我が国の勝利を宣言した。
真っ赤に染まった自身の身体。
自分の血か、返り血なのかも分からない。
そんな事はどうだって良い。
今は自身の守り抜いた国を見よう。未来の笑顔を見届けよう。
・・・。
(あれ?)
身体に力が入らない。
張り詰めていた緊張が解け、一気に気が抜けたのだろう。
(ここまで・・・か)
全身の脱力。自身の最期を悟った。
(ああ、神よ。次生まれ変わるのなら・・・平和な世の中に・・・)
※回
やり遂げたのだ。
天に剣を掲げここに我が国の勝利を宣言した。
真っ赤に染まった自身の身体。
自分のかも返り血なのかも分からない。
そんな事はどうだって良い。
今は自身の守り抜いた国を見よう。未来の笑顔を見届けよう。
・・・。
(あれ?)
身体に力が入らない。
張り詰めていた緊張が解け、一気に気が抜けたのだろう。
(ここまで・・・か)
全身の脱力。自身の最期を悟った。
(ああ、神よ。次生まれ変わるのなら・・・平和な世の中に・・・)
※繰
やり遂げたのだ。
天に剣を掲げここに我が国の勝利を宣言した。
真っ赤に染まった自身の身体。
自分のかも返り血なのかも分からない。
そんな事はどうだって良い。
今は自身の守り抜いた国を見よう。未来の笑顔を見届けよう。
・・・。
※巡
やり遂げたのだ
※巡
やり遂げたのだ
※巡
やり遂げたのだ
※巡
やり遂げたの、か?
不安感が自身を襲った。
そして気付く。
先へと進めない。
何度も何度も何度も何度も・・・囚われている。
自分は亡くなった。
皆を守り切って戦死した筈だろう?
※本当に?
誰か・・・
自分自身が自分に問う。
そうだ。その筈だ!だって、ここに皆の笑顔が・・・!
※・・・どこにあるんだ?
頭が勝手に下を向く。
その視線の先には自分の足首を掴もうと蠢く何百という手があった。
※君が人々を無差別に傷つけた事に変わりは無い。
で、でも平和には・・・。
※一体何を以て平和とするのか。誰を以て平和とするのか。人々は笑顔を手に入れた。自然環境は退化している。環境という土台がなければ・・・平和も何も無いだろう?
・・・。
※代償は大きい。命を奪う事、それはただ単に対象者だけの人生に止まらない。対象者に関わりある全ての人間、将来関わるだろう全ての人間の人生の選択の一つを奪ったのだ。
影響。
・・・自身の選択が過ちだったとでも?
※『悪』だとは言っている訳では無い。行動の結果、恨み辛みを持たれ、自身に対して念という形で返ってくる。自身が辛く、大変な道を選び、後悔をする。ただそれだけの事。
明日と言う名の未来は環境の消耗。これもまた行動の結果。
じゃあ、どうしたらよかったんだよ!自分の命を捨てて、相手を尊重出来るほど、自分は寛大じゃない!
※大きな後悔(過ち)は犠牲の上で結果(未来)を表す。どうしたら良かったなど、笑止千万。選択の結果が出ただけだと言っているだろう。
これが結果。
人々の念に囚われ、過去に囚われ、ハッと我に返って後悔した。
・・・誰かを傷つけず、何もせず、それが本来『楽』ではあったんだろうな。
分かっていたさ。自分自身なんだから。
進めないのは、自らの行動と結果。そしてまた、自身の選択だ。
けれど、何故今頃、自分を思い出せたのだろう。
何十回、何百回と繰り返した檻の中で。
過去に囚われている。
怨念に囚われている。
誰が・・・自身を分からせてくれたのだろう。考えられるようにしてくれたのだろう。
そんな誰か居なかったら・・・そう思うと自分はゾッとする。
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