第7話

——チュン、チュン


小鳥の囀りが聞こえる。もう朝か。


「くぁぁぁっ…」


どうやら床で寝そべって寝ていたらしい。なんで床で寝てんだっけ。あーそうだそうだ。マカラに頭ぶつけたんだった。


…とりあえず…起き上がるか。


待って…今何時!?うわ13時じゃん!



「めっちゃ寝てたなぁ…」

『あるじ!おはよ!』


マカラが影から頭だけを出して俺に挨拶してくる。


「ん、おはよ。…さてと」


ひとまずLIMEを開いてメッセージがないかを確認する。といっても、LIMEを登録してる奴は両親と、妹と、菫だけだ。他は全部企業アカウント。泣きたくなるね。


ん?菫からめちゃくちゃLIME来てる!?通知30件ってなに!?


『起きてるー?』『おーい』『無視すんなー?』


こんなノリのLIMEばかりである。なに?暇なの?暇なら迷宮潜っとけよ。


——ピーンポーン


その時、インターホンが鳴った。特に配達とかは頼んでいないはずだが、誰か来たのだろうか?


「頼くーん。ライセンス更新いかなーい?」


お ま え か


ああ、そう言えばライセンス更新しないと使えないかもみたいな話を受け付けの人としたな。ちょうどいいし、行くか。


「すぐ準備するか…ら」


ドアを開けて菫にそう言おうとした時、菫の手にぶら下げられている紙袋が目に入った。


「まさかとは思うけど…男物とか着て外出ないよね?頼くん?」

「え?普通に着るけど…」


菫の質問にそう答えると、菫はずいっと顔を近づけて…


「ダメだよ?」


手に持っていた紙袋を俺に押し付けて来た。中には…大量の服が入っていた。


「いや…いらn「今の頼くんは女の子なんだから、女の子のお洋服着ないとだよ?あと下着も」」


あ、拒否権ないやつだこれ。


「頼くんは元々ちっちゃいからねー。私のお古がちょうど入ると思って持って来たの!下着もあるよー、これは新品」

「ひっ…!」


やばいだろこいつ。頭沸いてんのか!?


「え、さ、サイズとかどうした!?」

「見たら大体分かる」


こっわ…!ホラーじゃねーかこいつ!


こうなったら…


「逃げるが勝ちd「はーい、捕まえた!」」


ちょっ、力つっよ。引っ張っても全然抜けねーんだけど!?ぐぬぬ…。


「はいはい、お着替えしようねー」

「ちょ、やめろ!わか、分かった自分で着替える!着替えるから!やめろぉっ!!!」


◆◆◆


しくしく…お婿に行けない…


「お嫁さんの間違いじゃないの?」

「だまれ」


心は男だよ。あとナチュラルに心読むな。


…そんなこんなで俺は服を丸々ひん剥かれ、無理やり下着を履かされ、上からワンピースを被せられた。いつか絶対こいつを殴る。


「まー、でもね頼くん…。その尻尾、隠すのには1番ワンピースが最適だと思うの。人に見られんの苦手でしょ?」

「ぅぐっ…」


そう考えたら…一応理に適ってる…のか?


「はいこれ、帽子。耳も隠せるよー」

「お、おう…さんきゅー?」


とりあえず感謝を述べておく。のだが…うわー…外出たくない…。なんかスースーするし…てかパンツの布面積小さくない?女子ってこんなんいつも穿いてんの?こわっ。


「うーん…女児向けのもの買ったからまだマシな方だよ?」

「ひぇっ…。てか心読むな」


世の女子って怖いですね。


「その服とか紙袋に入ってんの全部あげるからねー。家の中ならいいと思うけど外出る時はちゃんと女の子のお洋服着ないとダメだよ?変な目で見られたくないでしょ?」

「ぅっ…はーい……」


それを言われると弱いんだよなー…。ジロジロ見られたりすんのやだし…。


「ほら、外出るよー」


なされるがまま、手を引かれて外へ連れ出される。太陽がとても眩しい。


「うぉぉー…溶けるぅ…」


夏真っ盛りの昼間だ、とても暑い…。俺の尻尾がしょんぼりしてるよ…。


「…そういえば頼くんってご飯食べた?」

「いや、昼まで気絶してたから…」

「気絶してた!?」


マカラとぶつかってね…そのまま気絶したんだよ…。痛かった…。


「まあ丁度いいか…ご飯奢るよ」


んー…服とかまで貰ってるからなー…なんか申し訳ないんだけど?


「今度なんかで返してもらうつもりだからいいよ!」


え、こわ。何させるつもり?てか心読むな。本日3回目だよ!


「いや…なんか怖いから自分の分は自分で払うわ…。…あっ」

「財布、忘れてるでしょ?」


そうだった…。無理やり連れ出されたから準備碌にしてない!


「はーい、貸しひとつねー」

「ぐぬぬ…。てめーの金で爆食いしてやる…!」


◆◆◆


「ぐぅ…こんなはずじゃ…」


身体が変わってから胃の容量がかなり狭まったらしい…。ファミレスで大量に注文して爆食いしようとして…オムライス一杯でダウンしました。テーブルにはまだカレーライスとサラダと唐揚げがあります。食べきれません。


「食べてあげようかー?」


菫がとてもニマニマしている。腹立つ…。でも残してお店を出るのも良くないよな…。


「お願いしますっ…」

「はーい、貸しふたつめー!」


ちくしょうめ…

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孤高(ぼっち)の一匹狼がTSしてチヤホヤされる話 @yuyu_yu4696

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