第12話 ~僕といろいろな地球(シアター後編)~

「最後は今後の課題を見ていきます!ちょっと堅苦しい話になります…。退屈な話になりますが…これも教育のため!…いいですねぇ!?」


なおもアナウンスは続いてゆく。


「海洋問題に関しては、温暖化、海産物の乱獲、サンゴの白化、汚染などが…」


(う~ん……)


アナウンスには悪いけど、最後の話は上の空だった。聞こえた言葉は年間800万トンのプラスチックごみ。サメのヒレだけを切り取って海へと捨てるシャークフィニング。生態系をこわすレベルでの乱獲などが話された。…なかでも、サンゴのくだりは覚えている。


「温暖化は他の問題にくらべ、軽視されがちですが、小さな問題ではありません。たったの1~2度とですが…海水の温度変化は空気の温度変化ではなく、人体の体温変化と考えるとわかりやすいです。分の体温が1~2度上がったと想像してください。長期間だと命に関わりますね。海の問題はそれほど深刻なのです。そしてサンゴは水温が通常より少しでも上昇すればサンゴは白化してしまいます。サンゴの白化はストレス反応なのです。白いサンゴ礁というのは、一見綺麗に見えますが、ホントはよろしくないのです」


(キレイと思っちゃいけないんだ…)


「そしてこれは…サンゴだけの問題ではありません…」


目のまえには、6つの地球儀が宙に浮いている。しかし、きれいな色ではない。

赤は赤でも赤茶色。緑は緑でもヘドロのような深緑色。

他にも黄色や紫色、氷のような水色の地球儀があったけど…

なにか見ていて不安に感じる色合いだった。


「あくまで可能性のハナシですが…これは未来の地球です…」


(ええ? これが? 信じられない)


少し間があって、またアナウンスが入った。


「みなさんはサハラ砂漠に木を植えるとアマゾンの熱帯雨林にも影響が出るという話をご存じでしょうか?」


(サハラ砂漠とアマゾンって、こんなに離れているのに影響があるんだ…)


「つまり、一つの行いでいろんな場所に影響が出るということです。バタフライ・エフェクトとでもいうべきでしょうか…。我々マリーシアンはいろんな仮説を立てて動いています。そのとき最悪の事態を想定した未来が…このいろんな色をした地球儀なのです」


(…こんな地球は…イヤだな…)


「これらは…あってはならない地球なのです。核戦争、海洋汚染、温暖化、オゾンホールの破壊、砂漠化の進行…決して他人事ではありません」


(こうならないようにしなきゃいけないのか…)


「ランディアンの行動も目に余るものもありますが、我々もベストは尽くさなきゃいけません…同じ星の…青い星の民として…」


しばらく、説明がつづいたあと3Dバブルシアターは終わった。


(いろいろ、タメになったな…最後はおもたかったけど…)


僕は出口に向かって歩き出した。


「じゃあね、また来てね~」


僕はふわふわ浮かぶクリオネさんに手を振った。


(どうやって浮いてるんだろう…オルテンシアはナゾがいっぱいだ…。)


博物歴史資料館というと堅苦しいイメージがあったけど、子どもも楽しめるようになっていた。ここは博物館も兼ねているようで科学の勉強にもなった。


(でも……)


疑問が残る。先人はどうやって海底まで来たのだろう?

さっきの超空間3Ⅾバブルシアターでは語られなかった気がするけど…。

新たにできた疑問を抱えたまま、次の目的地に向かうことにした。

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