第1章 第1話

「ちょっと〜、君には世界の崩壊を防いでもらうって言ったじゃん!」


頭に聞き覚えのある声が響いた。


「か、神様!?」

「あ!だめだよ喋ったら、僕の声は君にしか聞こえないんだから、周りから見たら1人で喋ってる変な女の子だよ〜頭の中で会話くらいできるでしょ?」


(何言ってんだこの神様。てかこんなのが本当に神様?)

「こら!悪口言わない!」

(えっ本当に聞こえてるんだ〜!すご!!)

「話をずらさないの!というか本題は崩壊の方!前世ではエドワードとリリーが結婚して君が死んだから世界は崩壊したんだ。というわけで、君には2人が結婚するのを阻止して、世界の崩壊も阻止してもらうね!」

(いやいや待ってよ。そもそもなんであの2人が結婚したくらいで世界が崩壊すんのよ。面白すぎでしょ。)

「面白いだなんて……えぇ……君ちょっと怖いね……引くわぁ。」

(は?うっさい黙れ。)

「口悪い子はモテないよ〜?って違う!何回話をずらすつもり?」

(はいは〜いちゃんと聞きま〜す)

「それでよし。で、君には沢山の魔力をあげたでしょ?人は魔力量と魔力の属性の測定を必ず8歳の誕生日に行うから、これから1年でまずは自分の魔力をコントロール出来るようになってね。ただし8歳に満たない子供が魔法を使っているのを誰かに見られたらただ事じゃなくなっちゃうから注意してよね!」

「あっ、ちなみに君は全属性の魔法を使えるからね!聖女とか言われちゃんうんじゃない〜?」

(うげぇ、めんどくさ……てかそんな便利な機能私に与えられるんだったら神様が色々やればいい問題じゃないの?)


「……僕は人に干渉しちゃいけないんだ。」


急にトーンが低くなって驚いた…というか辺りの空気が凍りついたように感じた。

(もしかして……地雷踏んだ?てか待って、人に干渉しちゃいけないって言ってるけどなんで人の私には色々と干渉できるの?)

「君は………特別なんだよ。」

「……とりあえず君に魔法を習ってもらうためにある場所を用意したんだ。これから案内するよ」


(触れられたくない話題だったのかな。すごい歯切れ悪かったし。)

そんなことを考えていると急に視界が霧に包まれたように真っ白になり、目を瞬かせると目の前には小さな小屋が現れた。


「はいっ到着!もう喋っていいよ〜!万が一に君が魔法を使っているところを見られないようにするための小屋だよ!ちなみにここがどこなのかとかいう質問はNGね!神様特権だから〜」

「はぁ???待って私にここにこもって魔法の練習をしろと?」

「うんそうだけど?」

「誰が教えんのよ!1人で1から出来るわけないでしょうが!!!!」

「えっ?何言ってんの僕が教えるに決まってるでしょ?」

「…………?……えっ」

「えええええええええええ!!!!!」

(神様って暇人なの!?)

「だから!悪口言うのやめなってば!」

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