取りあえず、俺と付き合いたいと言った今の彼女って何?
神石水亞宮類
第1話 取りあえず、俺と付き合いたいと言った今の彼女って何?
取りあえず、俺と付き合いたいと言った今の彼女って何?
今の俺の彼女は? ”今まで彼氏が居ない期間は一度もないと言って
俺と付き合った。”
元彼と別れて0日。
俺はこの彼女と付き合う。
なんか? 彼女は本気で俺の事が好きなのか?
ノリで付き合った俺と彼女は、この先もずっと付き合っていけるのか?
まあ、そんな事今考えても答えなんかでやしないけど、、、。
“少なくとも、彼女は俺の事を本気で好きで付き合った訳じゃない!”
きっと一人の時間が寂しいから、彼氏になる男にその寂しさを埋めて
ほしいだけなのだろう。
・・・ただ俺は彼女の事を、やっぱりそこまで好きにはなれない!
友達の飲み会で知り合った彼女。
その日はやたらと俺も気分が良くて、たまたま横に居た彼女と話す
のが楽しく感じていた。
そのノリの勢いで、“俺と彼女は付き合っただけ!”
彼女も、“昨日、彼氏と別れたばかりなんだと俺に話していたし。”
まさか? こんなに早く俺が彼女の彼氏になるなんて思ってもいなかった。
『“なあ、ミユは? 本当に俺の事が好きなの?”』
『・・・何よ急に?』
『“だって俺達、ノリで付き合ったじゃん! 俺の事、少しは好きなのかな
って気になっててさ、”』
『“一応、今は好きかな。”』
『・・・い、一応、今は好きか、』
『なんか不満そうな顔してるじゃない!』
『まあ、不満だよ! じゃあ、元彼と俺とどっちが好き?』
『なんで元彼の話なんかするの? もう関係ないじゃない!
何? 直ぐに健翔と私が付き合ったから不満なの?』
『・・・まあ、そうだね、』
『“元彼とも2年は付き合ったから、健翔ともそれぐらいは付き合うと
思うの! その後は、健翔と結婚もできたらいいなって想ってるよ。”』
『・・・そ、そんな風に考えてくれてたんだ?』
『“確かにノリで、健翔と付き合ったけど、これでも真剣にいろいろ
考えてるんだよね。まあ、健翔次第だけど、、、!”』
『俺は、いや俺もミユと結婚できたらいいなって想ってるよ!』
『そうなれるようにお互い頑張ろうね。』
『うん!』
俺は彼女の都合のいいように誘導されているのか?
今まで彼氏が居なかった時期がない彼女を何処まで信じていいのか?
ただ寂しいだけじゃないのか?
好きでもない男でも彼女は付き合える女なのではないのか?
“どこか俺は彼女を心から信用できてない!”
でも? いつか彼女と結婚したいとも俺は想っている!
だからこそ! “彼女の本心を俺は知りたいんだ!”
ちゃんと俺の事だけを彼女に見てほしい。
・・・だから俺は彼女に罠を仕掛けたんだ!
“俺と別れてほしいと彼女に言ってから、直ぐに次の男と付き合わないか
確かめる事にしたんだ!”
早速、俺は彼女に別れ話を切り出した。
『“あのさ、悪いんだけど俺と別れてくれないか?”』
『えぇ!? なんで?』
『・・・ご、ごめん、』
『“嫌だ! 別れたくない!”』
『・・・本当にごめん、』
『なんで、もう私の事を嫌いになったの? そ、そんなの嫌だよ、』
『ごめん、』
・・・こうやって俺は彼女と別れたんだ。
別れた後は、“俺は抜け殻になってしまう。”
自分の意思でそうしたけど、俺はずっと彼女が好きだ!
なんで俺は彼女と別れなきゃなんなかったのだろう。
しかも? “俺と彼女が別れて、次の男と付き合うのか?”
怖くてもう見てられない!
自分でやった事なのに、現実を受け止められそうにないんだ。
今までの彼女なら間違いなく! 俺と別れて直ぐに男を作るだろう。
そうは思いたくないけど、彼女はそういう女なんだと思う!
ただどうしても、彼女にはまた俺とヨリを戻してほしい!
勝手な願いだが、“俺ともう一度! ヨリを戻してくれ。”
そう思っていたら? ”彼女から俺に連絡があって会う事に、、、。”
『“まだ、別れた事が納得出来ない!”』
『俺もだ!』
『えぇ!?』
『“自分勝手だと思うけど、もう一度! 俺とヨリを戻してくれないかな?”』
『な、何言ってるの? 健翔から私と別れたいって言ってきたんじゃない!』
『・・・ううん、そうだね、だけど、やっぱりヨリを戻したいんだ!』
『私とヨリを戻したいの?』
『ごめん自分勝手だって分かってるけど、どうしてもミユとやり直したい!』
『“ヨリを戻すなら、一つ条件があるわ!”』
『何? なんでも条件を飲むよ!』
『“もう二度とこんな事しないで! 私は健翔しか見てないよ、ずっと!”』
『分かった! 約束する! もう二度とこんな事しない!』
『・・・うん。』
なんとか、彼女とヨリを戻せたらしい。
もう二度とこんな事はしなよ。
俺が本当に心から傷ついただけだった。
彼女にもうこんな思いはさせない!
*
・・・彼女とヨリを戻して2年後、俺と彼女は結婚した。
軽いノリで付き合ったとしても、その先の事は誰にも分からない!
彼女だって別にずっと新しい彼氏が欲しい訳じゃなかったんだ。
ずっと一緒に居れる男性が居れば、直ぐに新しい彼氏を作る
必要がない事を知っていた。
“今は幸せだよ。”
俺も彼女も、“この出会いは本物だって分かったから。”
これからは幸せな家庭を彼女と作っていきたい!
家族も増やしてね。
取りあえず、俺と付き合いたいと言った今の彼女って何? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます