第25話

「ふ、二人共、さすがに買い過ぎだよ、、、、!」

「んだよ、素直に祝われとけよ」

「そうだよ!今日は未来ちゃんの誕生日なんだから」

今日は未来の誕生日。

女は記念日を大切にする、、、と何かの雑誌で読んだことがある。だから、誕生日プレゼントは何が良いか聞いた。

「誕生日プレゼント、、、、?」

「遠慮はするな」

「う〜ん。特に欲しい物とかないしな〜」

欲しい物がないなら、俺達にしてくれたように何か叶えてほしいことに付き合うとか?

「じゃあ、今日は前に未来ちゃんが行きたいって言ってた場所に行こう!」

蓮斗が名案というように挙手をする。

「え、良いの?」

「うん!」

「じゃあ決まりだな」

まずはショッピングモールで、未来をコーディネートをする。服の流行については何も分からなかった為、点頭に置いてあるマネキンの服を片っ端から試着させる。長年一緒にいる幼馴染である俺達の主観で似合うと思ったやつを購入する。

木製の茶色のボタンが付いた淡い黄緑色のふわふわした素材のワンピース。帽子にネックレスや髪飾りといったアクセサリー類も。

両手に大量の袋を抱えてしまったが、それは蓮斗も同じだ。

「ね、ねぇ、荷物やっぱり持つよ」

「いい、未来が持ったら倒れる」

「そんな弱くないから大丈夫だよ?」

「でも、、、、」

ここまで恐縮されると、さすがの俺も申し訳なくなってくる。俺達はお前の幼馴染兼婚約者なのだから、余計な気は使わなくて良いのに。

「未来ちゃん、楽しい?」

ナイスだ、蓮斗。

「うん!二人と一緒なら尚更楽しいよ!」

「それで良いんだよ。お前は俺達に楽しそうな顔を見せれば」

そう伝えると、未来は嬉しそうに笑う。喜んだ顔を見ると嬉しい気持ちになるのは、単に惚れた弱みというやつだろう。


「こいつにメイクとドレスを頼む」

悠斗が未来ちゃんを指差す。

「かしこまりました」

「ちょ、ちょま、、、、二人共!?」

未来ちゃんが驚くのも無理はないと思う。ショッピングモールを出たら、美容院と併設したドレス屋に来たのだから。

「ウエディングドレスは結婚式に置いておきたいから、、、今見るのもあれでしょ?」

キラキラしたステンドガラスから溢れる太陽の光の中にいるウエディングドレス姿の未来ちゃんを想像する。その隣にいるのは僕で、、、。

結婚式は大々的にするのも良いけど、ひっそりと二人だけで行うのも良いかも。それに、未来ちゃんのウエディング姿は誰にも見せたくないしなぁ。

「う、ウエディング?」

「あー、安心しろ。今日はそれじゃない」

「なら良かった、、、のかな?」

ドレス屋での目的は、未来ちゃんにフォーマルなドレスを着てもらい、それに似合うメイクをほどこす。

昨日、未来ちゃんが寝た後に悠斗と二人で未来ちゃんに似合いそうなドレスをネットで探して、何枚かピックアップした。

―――三時間後。

「、、、」

「、、、」

「何か言ってよ、、、二人共」

「、、、」

(これ、、、は)

僕の想像以上だった。

立体的な花柄のスパンコールが目を惹く、足全体を包む丈の桜色のドレス。かと言って派手な装飾はなく、照明に当たると少し輝くぐらいの控えめなものだった。背中の上が広く開く為、白いボレロを着て正解。ハーフアップにして編み込んだ髪の毛に添えた髪留めがよく似合う。

「可愛い、、、」

「え?」

「可愛いよ〜!未来ちゃん!!こんな天使みたいな可愛い子と結婚出来るなんて僕達、幸せ者だね!悠斗」

隣に立ち尽くしている悠斗を見る。悠斗は平然を装っているが、僕には分かる。耳元が赤い。

「ああ、今の未来を見たら天使も裸足で逃げ出すな」

「それ、褒めてる?」

未来ちゃんが目を細めて悠斗を見つめる。

「、、、行くぞ」

お会計を済ませた悠斗が未来ちゃんの手を握る。良いな〜。

「僕も手、握りたい」

空いている左手を握る。

えへへ、僕達は幸せ者だなぁ。

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