第22話

未来ちゃんと過ごす時間が好き。

未来ちゃんと同じものを持つのが好き。

未来ちゃんと違うものを探して、でも何となく同じだなって感じる時が好き。

生まれてから、家族以外で一番長く一緒にいた人。同じ時間を過ごして、ずっとこれからも続くと思っていた人。

「悠斗、もう寝た?」

静かに寝息の音だけする部屋の、暗闇に話しかけてみる。「起きてる」と小さく返ってきた声は穏やかで。

僕と悠斗は"双子"で同じだから、きっと悠斗も未来ちゃんのことが大好きなんだろう。でも、それは僕も同じで、、、未来ちゃんは僕達の気持ちに気付いているのな?

未来ちゃんは優しいから、僕達をきっと選べない。

それを僕も悠斗も分かっているからこそ、気付かないように仲の良い幼馴染を演じているんだ。

貴方は結婚なんて望んでいないだろう。このまま、幼馴染の関係でいれたら良かったのにね。

未来ちゃん。

僕がどれだけいびつけがれていても、君のことが大好きな気持ちは、本当だよ。

だからどうか、嫌わないでほしいな。

僕達の傍にいるせいで嫌がらせを受けて、悩む貴方は、とても―――とても愛らしくて、いじらしい。

でも、昔みたいに一緒に遊んで、ご飯を食べて、映画を見たり、本を読んだり、小さい室内用テントの中でお昼寝をするのも、とっても素敵だよね。

ねぇ、僕達、ずっとずーっと、一緒にいられたら良いね。命が燃え尽きる時も、生まれる時も、生きている時も一緒が良いのに。

まぁ、それが悠斗と未来ちゃんの幸せとは限らないけど。

でもね、未来ちゃん。貴方の幸せを願っているのも本当で。

桜井家に縛られ続けて沢山苦悩してきたことも僕達は知っている。知っているから、、、

また、縛り付けてしまう。

貴方は、自由を知る前に羽を千切られたから、飛び立つことさえ出来ない。足を引きずりながら彷徨さまようばかりで。

「僕は、我儘わがままだよね」

「、、、」

「未来ちゃんに幸せになってほしいのに、悲しい顔をさせて満足しちゃう僕がいるんだ」

「蓮斗っ、、、」

悠斗が「何を言っているんだ」と言わんばかりに息を呑む。

こんな僕を知ったら、未来ちゃんは僕のことを軽蔑するのかな?

いや、きっと未来ちゃんなら受け入れてくれるよね。

「、、、ごめんね」

僕は、、、少しでも未来ちゃんを疑ってしまった僕を許せないよ。

悠斗から返事がない。

スヤスヤと寝息を立てて眠っている未来ちゃんを抱き寄せる。

(未来ちゃん。可愛い、天使みたいな子)

ずっとこの先も、綺麗な貴方でいて。僕達に優しく、甘く。たとえこの体が骨になって、塵になって消えてしまったとしても、愛していてほしい。

貴方の脳に色濃く、魂の存在を刻み付けて、そうして僕達は貴方と共に生きていく。

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