プロローグ

第77話

──逞しくも現代社会に順応し、日々仕事に追われ、生を全うしているすべての女性に問いたいことがある。






「へえ、桜子の父さんって今53歳なの?」


「まあ。年も年なんで、頭のさみしい普通の中年親父ですよ」






──貴女の結婚願望はどれほどですか?また、それは具体的なイメージとして固まっていますか?






「あれ、桜子はいくつなんだっけ?」


「来月で24になります」


「早いもんだなー。初めて会ったときお前、鼻水たらしたガキんちょだったし」


「っ、な!?鼻水垂らしてなんていませんよ!」


「ハハッ、でも泣いてただろ?まー、なんだ。俺は今年で37になっちまうけど…」







──年上だったら、何歳までの男性を対象として見ることができますか?







「お前の親父さんよりも、お前のほうに年が近いんだから現役だって思ってもいい?」


「……タツ兄さん」







甘めのカクテル。


スナックで看板を背負っているお姉さんが作ってくれたお酒は、もっと女の子らしい子にぴったりなんじゃないかと最初は思っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る