心と気合の入った随想
ポエムニスト光 (ノアキ光)
「なぜ勉強するのか?」と問われたら何と答える?
「なぜ勉強するのか?」中学2年生の子どもからそんな質問を投げかけられたら、少し考え込んでしまうかもしれません。
学校の教科書を開けば、歴史の年号や数式、英単語といった膨大な情報が並んでいます。それらを覚えることが果たして本当に必要なのか、疑問に思うのは自然なことです。
しかし、勉強とは単に知識を詰め込むことだけではありません。知識を学ぶ過程で、私たちは物事を考える力や、問題を解決する方法を身につけます。例えば数学の問題に挑戦するとき、答えを導き出すまでに論理的に考える力が必要です。これは、将来どんな職業に就いたとしても役立つ、普遍的な能力です。
また、国語の授業では、文章を読み解き、登場人物の心情や作者の意図を想像します。これは他者の気持ちを理解する力、すなわち共感力を育む助けとなります。社会に出れば、異なる価値観を持つ人々と協力しながら生きていくことが求められます。そのとき、相手を理解し、対話を通じてより良い解決策を見出す力が必要となるのです。
さらに、勉強を通じて広がる視野も無視できません。理科の実験で自然の不思議を発見したり、歴史を学ぶことで過去の人々の選択や失敗に思いを馳せたりすることは、自分の考えや価値観を深める機会となります。自分の置かれた環境だけでなく、世界全体を見渡す視点が養われるのです。
それでも、今すぐに「勉強が楽しい!」と感じられるとは限りません。時にはつまずき、投げ出したくなることもあるでしょう。でも、その困難を乗り越えたとき、達成感や自信が得られます。それは、人生のさまざまな場面で自分を支える力となります。
そしてもうひとつ、大切なことは「自分を知る」ことです。多くの教科に触れる中で、得意なことや興味のある分野が見つかるかもしれません。将来の夢や進路を考えるうえで、その気づきは大きな道しるべとなるでしょう。
だからこそ、私は子どもにこう答えたいと思います。
「勉強は、自分の世界を広げる旅のようなもの。知ることの喜びや、自分の可能性に気づくための大切な手段なんだよ。」
きっと、その旅の中で、自分だけの答えを見つけられる日が来るはずです。
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