第4話
「んっ……」
透き通るような爽やかなミントの香りに、柔らかなベッド……やっぱり部屋の中は心地良い。
そう……思って、再度眠りつこうと布団を胸元に手繰り寄せ、寝返りを打とうとした瞬間だった。
カチャカチャと聞き慣れていない金属同士が擦り付け合う嫌な音に加え、手首でヒンヤリと冷たさを感じさせる異物。
目元は何かで覆われ、真っ黒な闇しか移さないように閉ざされた視界。
一体……何……。
そう思った時だった。
急に頭がガンガンしてから、頭に針が刺されたような突き刺さるような痛みが走ったのは……。
そうだ……私ッ……大学が終わってアルバイトの帰り道に……知らないお兄さんに鍵を落としてしまったから車の下を確認してくれないかって頼まれて……覗いた瞬間、直ぐに口元に当てられて何かを嗅がされて……そ、それから……それからッ……記憶が無い……。
私ッ……さ、攫われたの……ッ?
疑問に思ったのは一瞬で、一気に嫌な冷や汗をかき始める。
嫌ッ……嫌ッ……嫌だっ……私は内蔵なんて売られたくないッ……普通に……普通に過ごして居たいだけなのに……どうして……ッ……。
お母さんが言っていた……日本人の内蔵は他国の人に比べ健康的な臓器の中でも稀に見る程、整っていて高価な価格て取引されるぐらいだと……。
それにこの間のニュース……高校生の全身バラバラの遺体が見つかったって……。
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