第36話

また、助手席のドアを開けてくれたので頭を下げてから乗り込んだ。



走り出しても何も言わない五十嵐さん。


なんだか不安になり、



「あ、あの~、どちらに?」



まっすぐに五十嵐さんを見ることは出来なくて、少し盗み見るような感じで隣に視線を泳がせた。



「ああ、食事に行こう。」



そうだよね。この時間なら食事だよね。



「・・・・・・・・」



「・・・・・・・・」



なんか会話が見つからない。


大体、どんな話をしていいか分からないよ。



なんか、テレビとか観そうにないし。って私もあまり見ないけど。


映画?私、最近映画も観に行っていないな~。


今度、由利に電話して観に行こうかな~。



結局、そんなことを考えていたら会話も無いまま、目的の場所に到着したみたい。

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