第13話
大きな家の玄関の前でわたしの腕を強く掴み、熱く見つめるアイを冷めた目で見つめ返す。
アイの瞳はいつだって純粋で、水晶みたい。
待って、と今度は口を開いた。
音にならない空気だけが吐き出されてどうしようもなく切なくなる。
「待たないよ」
今度は表情を歪ませて、そんな顔されたらわたしが悪者みたいじゃない。
「アイ……また明日ね、明日は何か食べて帰ろう」
仕方がなく、溜め息を吐いた。わたしは何回妥協すればいいのかな。
たまには我慢を覚えてよ。わたしの腕を掴んでいる、アイのくせに男らしい手に自分の手を重ねれば、だんだんと表情が柔らかくなっていく。
しまいには、わたしの手の甲を口元に運んでキスを落とした。
「、」
顔に熱が集中したのを自覚すれば、嬉しそうに笑って、またねと口を動かす。
やっぱりわたし、藍佑のこと死ぬほどキライ。
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