第4話

「……っ」


「手え出すな!」


ビックリして声も出ない私の前で、金髪男が低い声でピシリと制する。


視線が鋭くて威圧感のあるこの人がリーダーなのかな?


「今から時間あるか?」


金髪男が見かけによらず優しい声で聞いてくる。


「……?」


この人、どういうつもり?


「何とか言え!」


また、隣の男が不機嫌に声を荒げる。


金髪男が視線だけでそれを制して、また口を開く。


「俺らと一緒に遊ばねえか?」


この人、何考えてるの? 遊ぶって、何して? 


不良と遊ぶとか、恐怖しかない。


「……嫌です」


この人達を怒らせてはいけないと思うけど、何をされるか分からないのに遊ぶわけない。


「お前ら、何やってんだ?」


すぐ近くの工場から作業服を着た若い男の人が出てきた。


「私、この人と約束してたから!」


不良達の輪から抜け出して、その人に駆け寄る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る