蒼Side
天使との出会い
第1話
――大福桃
ジムの入会申込書に書かれた名前を見て確信した。
駅の階段で助けた女の子が、昔大学のキャンパスで出会った子だと。
その頃の彼女はまだ子供で、ふんわりと優しい顔で笑っていた。
茶色がかったサラサラの髪には輝くリングが出来ていて、俺の元に舞い降りた天使のようだと、柄にもなく思った。
その女の子が、大福桃と大きく書かれたノートから四つ葉のクローバーを取り出して、幸せのお裾わけだと言う。
本物の天使のような発言に驚きを隠せないでいたら、シュンとしてそれを仕舞おうとする。
貰うよと手を出すと、彼女の顔に満面の笑みが広がった。
つられてこちらまで口元が綻ぶ。
ぶつかった後、頭を下げた拍子に背中の鞄から中身をぶちまけるという、コント並みの行動を繰り広げていた彼女。
慌てている彼女を見て、必死で笑いをこらえていたというのに。
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