第5話

身体を重ねるという行為に限った話では無く、手を握ったのも、ハグをしたのも、キスを交わした相手も─…何もかもゼンブ。




私のハジメテは全て、彼─…宗悟くんだった。




「…っ、宗くっ…んん、」



「その呼び方、やめろって…言ったよな?」



「ああっ、ダメ…だって、」



「柊奈が約束破るから…俺も好きにさせて貰う」




まるで恋人同士のやり取りに聞こえるこの会話も、特に意味を持たない。





私がどんなに彼のことを想っても、その思いが報われる日が来ることは未来永劫…無いと言える。








なぜなら彼、多岐川たきがわ 宗悟には─…


他に守るべき”家庭奥さん”が存在するのだから。

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