プロローグ

第1話

今から30年以上前、1970年代のこと。

列島を騒がせた、連続嬰児誘拐事件があった。


否、誘拐という言い方はまだ優しいかもしれない。

実際に捜査に携わった警察によれば、その実態は、とあるアジア系の闇ブローカーが絡んだ大規模な人身売買だったという。



最初のうちは東京や大阪といった大都市が狙われたが、おびえる国民をあざ笑うかのように事件は拡大し、あっという間に東北や九州へも飛び火していった。


またこちらは悪質な便乗犯の可能性もあったが、新生児のすり替えや取り違えも、一緒に引き起こされることがあった。



日本中の子供、そして若い親たちが混乱と恐怖に陥れられた数年間。


それは、幾多の都道府県にまたがる警察の威信をかけた連携体制により、組織が摘発されるまで続いた。












―――その日、4人はラジオの収録を行っていた。



直『あーうけるー、もう俺ほんっっとに!!藤くん大好き!!』

増「あははははっ」

升「あぁ、俺も好きなんだよね。実は」

直『実は?』

増「あーごめん、じゃあ俺もわりと好きかも」

直『わりと!?おまえらぁ~っ』



どんな話の流れでそうなったのかもう思い出せないが、とにかく全員が爆笑する中、何気なくその質問が出た。



藤「おまえさ、好きって、どんぐらい好きなの」

直『え?そうだなー…、マジでぇ、抱かれてもいいぐらい好き!!』

藤「え!?」

増「ぶはっ」

直『はいっ、というわけでこの番組ではメンバーへの質問、ラブレター、曲の感想はもちろん!』

増「ちゃ、チャマ、おまえ」

升「そのまま進めるんだ、すごいな」

藤「あ~~っ」



体を折ったり反ったりして、マイクの前だっていうのにみんな好き放題に笑いまくって。

おかしくて、どうしようもないぐらい楽しくて。



騒動が起きたのは、それから何日もたたない日のことだった。













【Forever You】

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