四ノ宮さん

第1話 


四畳半ワンルームの蒸し暑い部屋。

またあの部屋に帰ることを考えるだけで嫌気が差す。


店員の視線が怖くなったので、炭酸飲料を一本買ってコンビニを後にした。

(今日はバイトがなかったな)

(バイトがあると面倒で行きたくないはずなのに、バイトがないと何もすることがない、あるあるだとおもう。)



ピンコン♪

ピンコン♪

ピンコン♪

ピンコン♪

ピンコン♪

ピンコン♪



高校時代のグループLINEの同窓会のお誘いの追いLINEの通知がうるさい。私みたいな人が高校のグループLINEから抜けさせられてないのは面白いとおもう。と皮肉を自分に当てつけた。


いつものように歩道橋の階段を昇っていると、なんだか懐かしい声で誰かに名前を呼ばれた気がした。


私は後ろを振り向いた。


その時私は足を滑らせて落ちた。暑すぎて蝉が鳴いていない夏、太陽が眩しかった。スローモーションになるわけでもなく、走馬灯を見ることもなく、ただ落ちるだけ。目の前は太陽の光のせいで何も見えなかった。



そうして私の人生はあっけなくおわった。






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四ノ宮さん @chifuyu-4

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