第34話
「結、俺たちのことが怖いか?」
奏が不安そうな顔でそう聞いた。
「ううん。だって奏は本当は優しい人だって知ってるから。」
私は迷いなく答えた。
「そうか。それならよかった。」
奏は安堵の表情を浮かべた。
「まもなく屋敷に着きますよ。」
「結が怖がるといけないから先に言っておく。屋敷に住んでる奴らは全員男だ。だから、最初は怖いかもしれない。見た目が厳つい奴等ばかりだからな。でも、本当は皆いい奴なんだ。だから、いつかでもいい、あいつらを受け入れて欲しいんだ。」
「大丈夫だよ。奏を守っている人達なんでしょ?怖くないよ。だって奏が大切にしている人達なら私も大切にしたいし、むしろ、皆さんは私が来ること嫌がらないかな…?」
奏にとって大切なものは、私にとっても大切なもの。
奏は私のことを綺麗だと言ってくれるけど、みんながみんなそうじゃないと思う。だから、1人でも私のことを嫌だって思うなら、自分から出ていこうと思う。
でも、奏にはそんな私の考えなんてお見通しらしい。
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