第7話

二年になって、加瀬と立原が同じクラスになったって知ったときは。




あの女、さぞかし喜んでるだろうと、チラッと思った覚えがある。






……でも、変だよな。






あの頃、俺は、亜莉のことしか考えてないと思ってたけど。





思い返すと、ところどころで、こいつのことをけっこう気にしていたのかもしれない。





いや。





断じて、好きとか、そういうんじゃないはずだ。





でも、もしかしたら。





その頃から。





立原が、俺の体の中に少しずつ侵入してきたのかな?





まるで、何かのウイルスみたいに。





まさか、こんなことになるなんて、思ってもみなかったけど……。








寝返りをうった、立原の額に、軽くキスして。







俺は、もう一度、目を閉じた。

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