第2話

佐和子の悲嘆


歳月という名の波に揉まれ、幾度となく打ち砕かれながらも、それでも懸命に生き抜いてきた。


そして、その波は、彼女にとって最も大切なものを奪っていった。


愛しい娘の笑顔、それはもう二度と見ることができない。


あの日、娘が突然この世を去った時、佐和子の心は、まるでガラス細工のように砕け散ってしまった。


佐和子は部屋を見渡す。 


゙綺麗に片付いたわ"

前々から断捨離は心がけては居た。

それでも捨てられないモノはあり

例えば過去に愛した男の写真、手紙。子ども達の記念写真。

成長過程、どれも大切なタカラモノだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る