第35話

何の気なしにいつもの朗らかな笑顔の涼介先輩。


顔をひきつらせた後、肩を落とす紗耶香。



わたしは何とも言えない状態。



「だ、大丈夫…。何事もなくて良かったわ。や、何事もなくはないのか」


「この二人は何なんだろうね。女子の取り合いをしてるようにも見えるけど、大方あの女の先輩が勝手に対抗心燃やしてるだけって感じ?」


「そう…なのかな?」



未だ言い争う(先輩はまともに受け取ってないように見えますが)二人から、目を離すに離せない。



周りは誰も止めようとせず、むしろ三歩程距離を置き、放課後だというのに観客目線で楽しんでいる。




「いや~、何度見てもあの二人は目の保養だね~」


「文句なしに美男美女だもんね」


「でも水に油っていうね」


「そこがまた面白いんだわ」


「あたしもちろん彰が好きだけど、香(かおる)も好きだわ~。これは絶対選べない」


「わたしは断然香!彰は彼女いるし!」


「彼女いたって彰の輝き度はハンパないって!でも香は美しすぎるー!」

 



…す、すごい。



学校の王子と呼ばれる先輩と色々な意味で張り合える人なんて、お兄さんしかいないと思っていたけど、まさか女子でいたなんて。

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