第9話

「なんなのその顔」


「遥ちゃんどうかしたの?」


「遥?」



皆に顔をのぞき込まれるも、何と言ったらいいかわからず、言葉がなかなか出てこない。



「…えと…まあ…その…」


「いいから行くよ!」


「ぎゃっ!!」


「「行ってらっしゃーい」」



紗耶香に手を引かれ、猛スピードで走り出される。



問答無用とはこのことか!!



「時間ないんだからね!」


「だったら無理して行かなくても」


「ちょっとだけでも会いたいでしょ?!」


「それは紗耶香が涼介先輩に会いたいんでしょうが!」


「あたりまえでしょ!」


「おい!!」



──と言い合っている間に、三年A組に到着してしまった。



廊下にいる三年生達の痛い視線も久しぶりで、居心地が悪いったらありゃしない。



どうもすみませんね!二年生の分際で三年生の階に来てしまいまして!



「あっ、紗耶香ちゃん!」


「涼介先輩!」



気づくの早っ!!



素早く紗耶香に気づいた涼介先輩は、満面の笑みで教室から登場。



「後で俺が行こうと思ってたのに」


「わ、嬉しい!」



…ら、ラブラブだにゃー。



見ているだけで雰囲気が甘いわー。



……先輩はどこかな?

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