第10話

「………ていうか遥、あんたもしかしてあの男の子を追っかけてバイト始めたんじゃないでしょうね」


「はい?!あの男の子って?!」


何を言い出すんだこの人は!!



「二人くらいいたじゃないの、若い男の子。特に一人は背が高くて芸能人みたいないい男♪」


う~ん、若い男の子って言ったら先輩と吉田さんだよね。背は吉田さんより先輩の方が高いから、お母さんが言う芸能人みたいないい男は先輩のことか。


っておかしいだろ!!



「それでなんでわたしが追っかけてバイトするのよ!」


どんな思考回路してんの?!



「お店に行った時あの男の子たちを見て思ったの。あんた、ぶーなくせにバカだから、男の子を追っかけてバイト始めたのかしらって」


「いや、あほか!なんでそうなるの!」


一応追っかけではないはず!…………たぶん。



「だってあんな高嶺の花、追っかけたって遥が傷つくだけだって、これまた心配になったんじゃない。もしそうなら可哀想だと思って」

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