心と体
第7話
「瑠奈ちゃん」
そう呼ばれて
ふと顔を上げると
やたら不安そうな彼氏の顔がうつる
「なに?」
おしゃれなイタ飯屋さんでパエリアを食べ終えた時
彼氏はゆっくりと話し始めた
「俺さ・・・
他に好きな人出来たんだよね」
「そう・・・それで?」
私の返した言葉に驚いたように
彼氏の動きが止まった
「それでって・・・・」
予想していなかった反応だったのだろう
「私と別れたい訳?」
遠回しな言葉なんて必要ない
優しいこの彼氏から別れたい・・・
なんて言葉が出るまで
どれだけ時間がかかるか分からない
「いいよ?別れようか?」
「・・・・・・・・・・」
食後にオーダーしていたコーヒーが運ばれてくる
「好きになった人とは上手くいきそうなの?
・・じゃなかったら別れたいなんて言わないよね」
「まぁ・・・・・・・」
煙草に火をつけ彼氏ににっこりと笑い掛ける
「よかったね?」
他にいかれても 悲しくもないし
誰かにとられても 怒りすら湧かない
「瑠奈ちゃん・・・ごめん」
それなのに申し訳なさげに謝る彼氏・・・
「人の気持ちが変わるのは仕方ないでしょ?
私は大丈夫だよ
怒ったり喚いたりしないから」
流されて付き合っただけの彼氏・・・
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