よるを好む

第2話

孤独な猫がいた。






人と接する。


時折笑顔を見せてくれる。


音を鳴らす。




……でも、ふいにひっそりと、その姿を隠す。




自分の“居場所”へと身を潜ませ、自分だけの世界に浸る。




変化が止まない空を眺めたり。


ただ座っていたり。


時折眠ったり。



1人の時間を存分に、まったりと活用している。



手招きをすれば近づいてきてくれるけど、強くその身を寄せようとすれば、ひらりと交わして遠ざかっていく。




自分の身を守り、心を守り、居場所を守る。





…そんな猫が、本当は誰よりも温もりを欲していて、甘えたがっているという事をわかるようになったのは



一体いつからだろう。






…自分がその役割を担いたいと思うようになったのは



いつからだっただろう――…。

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