3.夕焼けにはブルーの残像
第24話
5月病になっている暇もなくやってきた中間テストが終わって、やっと一息つけると思ったら、あと一か月と少しでまた期末テストが襲ってくるらしい。
私は先ほど奈々ちゃんから聞かされた衝撃の事実に、残りライフが削られた気持ちになって机に突っ伏していた。
「なんで今さら驚いてるの、すみれちゃん。もう三年生でしょ。三回目でしょ。」
「何回やっても慣れないことってあるでしょ?私にとってはそれがたまたまテストだったんだよお。」
私の右隣の席のかっきーは、2年生の頃から容量が良いタイプで、試験前に集中して勉強して毎回さくっと良い点を取っている。羨ましい限りだ。
私はぱっと起き上がって、でもでも、と言いながら少し乱れた前髪を直した。
「逆に何回も新鮮な緊張感を味わえるってことだよね。そう考えたら実は悪くないのかも。」
「今の流れでどうやってその考えにたどり着いたのか疑問だわ。」
奈々ちゃんは普段からコツコツ勉強していて、苦手教科とかを作らないタイプ。オールマイティにこなしているイメージだけど、一番得意なのは物理らしい。
私たちのクラスは文理混合のクラスだから、私やかっきーみたいな文系人間も、奈々ちゃんや潤君のように理系選択の人も、どちらもバランスよくいる。
だから奈々ちゃんとは日によって取っている授業が違ったりするけれど、かっきーとはほぼ毎時間同じ教室の、隣の席に座っているのだ。
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