第17話

「っ、そんなのっ!別れてから私を見てくれたらそれでいいっ!」



「見てくれたら・・の話ね」



「とにかく、早く別れてあげてよねっ」




松岡さんはそう言って葉月を睨みつけて教室を出ていった。




「葉月、ごめんね。私、何も言えなかった…」



「ショック受けてたんでしょ。こんな時冷静に言い返せるわけないじゃない」





本当にショックだった。

青山くんがそんな簡単に他の人とって事もそうだけど、私の気持ちを信じてなかったことも。

それだけで判断されてしまうことなんだろうか。

私が子ども過ぎなだけなんだろうか。





「凛、間違ってるのは青山くんだからね」



「でも、」



「第一に青山くんは凛に聞くべきだった。勝手に凛の気持ちを決めつけて、他に流されるなんて。話になんないわ」



「ん……」



「もうっ、許せないわっ。凛を泣かすなんて!」





そう怒りながら、葉月は私を抱きしめてくれた。

私を泣かしたのは葉月の優しさなのに。

自分の事のように怒ってくれる葉月の優しさが嬉しかった。





「帰ろっか」



「うん」





しばらく泣いていた私が落ち着いてきたのを見て、葉月が声をかけてくれて私達は教室を後にした。

明日からこの教室で青山くんと平気な顔でクラスメイトとして過ごすのはもう無理だなと、この時には冷静な気持ちになっていた。

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