第10話
「凛って呼んでいい?ていうか呼ぶから。俺の事も
青山くんは今まで私を水木と呼んでいたから凛と呼ばれて、なんだか急にグッと二人の距離感が近くなった気がしてドキッとした。
「うん」
その日はそのまま二人で映画を見に行くことになった。
漫画原作のラブストーリー。
平日だからか、映画館は比較的空いていて私たちの隣や前後には誰もいなかった。
青山くんは席に座ると私の手を握り、そのままの状態で映画を見ていた。
そして、映画が始まり一時間が経った頃、青山くんがこちらを見てるのがわかった。
青山くんはそのまま私の耳元に近づくと
「キス、していい?」
と聞いてきた。
思いもしないことに戸惑ってしまった。
でも、きっと恋人なんだし、もうそういう段階なのかもしれないと頷いた。
すると青山くんの顔が近づいてきたので、私は目を瞑った。それと同時に私の唇に青山くんの唇が触れたのがわかった。
すぐに離れたのでゆっくりと目を開けると、青山くんはまたチュッと軽く口づけてからまた映画を見始めた。
私は初めてのキスにドキドキしていて、その後の映画の内容は覚えていないくらいだった。
映画が終わると二人黙ったまま手を繋いで映画館を出た。
外は入ったときとは違い、もう空が暗かった。
そのまま駅まで歩いて、乗る電車が違うので
「じゃあ、また明日ね」
と言って別れようとすると、青山くんは私の手を引き抱きしめて耳元で「好きだよ」と言ってから体を離した。
「じゃ、また明日」
「うん、また明日ね」
私はそのまま改札に入り、階段を駆け上がった。
すぐに来た電車に乗って、ドアの近くに立って外を見ていた。
なんだか、いつもの景色が全く違って見えた。
ドキドキと戸惑い。
なんだか、急に青山くんとの関係が進んだ気がして少し怖くなった。
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