ドラゴン山脈

 勇者達と別れた満はこっそり来たエルドとともにドラゴン山脈へと入っていった。

 そのドラゴン山脈に入る前に子供のようなものを見かけたがこのせいだろうと思いながら。


「うおーードラゴンの数多いなぁ」


 そう思いながら、満は辺り一面を見渡す。そこにエルドが「ここのドラゴンは全て合わすと世界全体の蟻の数より多いんだそうです。一匹一匹が一つの町を壊滅させるほどの強さがあるのに…恐ろしいですね」と言い、満はその事実に驚き、驚いた顔でエルドを見た。


 ドラゴン山脈に入っていったエルドと満は案の定1億を超えるドラゴン達に襲われた。

 その大量のドラゴン達を華麗に倒しながら「Sランクでソロでドラゴン討伐が可能、Zランクで複数体のドラゴン討伐が可能、そう考えてもこれは勇者達にはちっときついな」と思いながら、全部の襲ってきたドラゴンを処理すると、目の前に子供が現れた。


「君、強いんだね」


「そ、そうだけど?」


 満は困惑した顔でその子供を見つめる。

 その瞬間腹部をその子供に殴られたのである。そのパンチは異世界転移した満が食らった中で一番強いパンチであった。


「な、お前…ステータスはなんだ?」


「平均3(↑^10)3だよ?」


「は?え?は?天上五王遥かに超えてない?」


「そうだよ?だけどねぇ新しく誕生した激強子供達が作った子供劇場団の中では最弱なんだよねぇ」


「うせやろ」


「うーんとね。神が滅んだから、こんなに強い僕でも天罰で死なないんだよね」


 満はエルドも方を向き「ここから、先の戦い…もしかするとエルド、リュファスでも追いつけないかもしれない。エルド…ちょっとお前逃げたほうがいいかも」


 エルドはそれを聞いた途端一目散に逃げていった。

 これは当たり前っちゃぁ当たり前の反応であったため、それを見た後子供に「お前…なんで俺達の目の前に現れた?」と聞いた。


「まぁ暇だったからかな?ここまでのステータスになると、基本的にレベルアップしても数値の変動はないから全部才能か一気に成長するイベントなどがない限り、成長しないんだよ。だから皆はいつも暇してるよ。君は子供劇場団の千二十四魔将のなかでも上位ぐらいの強さだから見てみたかっただけ」


 満は今までこの世界では最強と認識していたため、上位としか言われなかったことに驚いた。

 しかも、千二十四魔将…ここから先に階級がありそうと認識した満は自分は井の中の蛙であると理解した。


「つまり、俺は弱いと?」


「いやぁ強いよ。無限に存在する子供の中で千二十四だからね。こっから先は五百十二、二百五十六、百二十八、六十四、三十二、十六、八、四となっていて最後にボスの最強の側近二名となっている感じだね」


 満は少しドン引きしながら「ちなみにボスのステータスは?」と聞くと「ふぃっしゅ数バージョン5クラスだね」と答えた。


「えぇ…インフレ進みすぎだろ。今の俺の時点で絶対無限超越してるのに…」


 そういった後、満は「ちなみに今君は俺に戦意ってある?」と聞くと首を横に振ったため満はドラゴン山脈を進み始めた。

 進み始めると子供が「暇だし僕もついて行っていい?」と聞いてきて足を止めた。

一人のほうが何かと便利な気がするし化け物集団の子供劇場団に裏切り者─子供劇場団の目的は分からないが、この子供がついてきてその子供を裏切り者と認識するかもしれない─と一緒にいた満も何かされるのかもしれないと思い断った。

 少し残念そうな顔をしていた子供だが、それを無視して満はまた足を進め始めた

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