ロイマス山脈

「ジンクス!ロイマス山について何か教えろ!」


「はい!ロイマス山は圧倒的にロイパス山と違うところが一つあります。なんでしょう!」


「うーん、傾斜角度かな?」


「正解!ロイマス山は標高30km、傾斜角度90度という怪物じみた山です。この山の登山最高記録は1kmとなっており、人類はその頂上をみたことがありません」


「うーん、バケモン。傾斜角度90度って壁じゃねぇか」


 そう満が思うながら、ロイパス山を下山し、ロイマス山脈にたどり着いた。

 すると、明らかにおかしい山のようなものが遥か先に見え、それがすぐロイマス山と満は認識した。


「えぇ…あれ登るの?めんど」


「まぁそう言わず登ってボスちゃちゃっと倒しましょう」


「そうだな」


 それから、2日ほどロイマス山脈を歩きロイマス山にたどり着いた満がロイマス山の地面(というか壁)を触るとぬちゃっとしていた


「あれ?これ泥じゃね?」


「山ですから、土で作られていますよ。たぶん」


「もう飛んでから行こうぜ。流石にこれ登るのは嫌すぎる」


「分かりました。飛んでいきましょう」


 そう会話をした満達は登山ならぬ飛山を行った。

 その道中に横方向に伸びているおかしな木などがあり、意外と楽しめた満が見たのは、一箇所だけ不自然にある穴であった


「なんじゃあれ」


「もしかすると、店の店主が言っていた幻の魔獣がいるかも知れませんね」


 そうジンクスがその穴を指差しながら言った。


「じゃあ、行くか」


 満達は何かに吸い寄せられるようにその穴へと向かった。

 その穴の中は神秘的な紫の光が周囲にある巨大なクリスタルによって反射されているような感じになっていた。


「綺麗だなぁ」


 その穴は1kmほど続いており、最奥に突き進むと大きな何かの生物の巣があった。


「うわぁデケェなぁ。恐竜かなんかでも住んでいるのか?」


 満はその巣の中に入り、中に寝転んでいる禍々しい生物をみて、「こいつ店主が言ってた魔獣の超王じゃね」といった。それに反応するようにリュファスがポケットから一つの球を取り出した。


「満、ここから急いで離れたほうが良い。」


 急にリュファスの口調がおじいちゃんのような口調からキリッとした口調に変わった事に驚いたと同時に「なんで?」と聞いた。

 すると、リュファスが「こいつはフラクタル構造的な時間球─フラクタル構造とは、図形の全体をいくつかの部分に分解していった時に全体と同じ形が再現されていく構造というものであり、ここでは時間球(無限の時間軸の集合体)自体がフラクタル構造と述べられているため同じ時間軸(時間,場面)が繰り返されているということである─の中で唯一無二のフラクタル構造に従わなかったイレギュラーな存在だ。つまり戦闘能力は怪物級ということだ。そいつが今寝ているから良いけれどこの巣の中に侵入した私達を許さないだろう。そして彼が寝ている隙に私が持っている封印球─一種の異変的なマジック素粒子の集合体。異変的なマジック素粒子はℵ_α (任意のリミット順序数α)とした場合の全てのリミット基数(ℵ_0,ℵ_ω,ℵ_ω・2,ℵ_ω^ω,ℵ_ε_0,ℵ_ℵ_0,ℵ_ℵ_ℵ_0,ℵ_ℵ_ℵ_ℵ_………)を内包しています。このマジック素粒子を活用しこの世界の全ての存在を世界のコードの使用しない変数に入れて間接的に封印をする球体。対象者に投げると作動する。使用回数1回─を投げる。その投げる際にこの怪物が気づき攻撃してくるかもしれないから、満は逃げろ」と険しい顔で言った。

 その様子をみた満は「ホントにいんだな?」と問いかけ、ジンクスとともにこの穴から出た。そして満がロイマス山脈から10kmほど離れた場所に移動すると、巨大な爆発音が聞こえ、ジンクスとともにまたロイマス山脈へと向かった。


 ロイマス山脈に向かった満は顔が一瞬で青ざめた。

 ロイマス山が完全に消えていたのだ。


「満さん。何があったんでしょうね?」


「さ、さぁ?」


 そう思っていると、真ん中の地面からボコッという音とともにリュファスが出てきた。

 その出てきたリュファスに満は近づき「大丈夫だった?」と声をかけた。

 すると、リュファスはゴホッゴホッと咳をしながら「何とか封印できたよ。一瞬その変数をぶち破ってきたから焦ったけどね」と言った。

 満はそれに安堵しながら「あの封印球ってあそこで受かってよかったものなの?」と問いかけると、リュファスが「んなわけねぇだろ。あれは普通永劫の時を過ごして5000もの試練を乗り越えた人だけに渡されるものなんだぞ?しかもこれ自分のじゃねぇし。」といい「それ自分のじゃないの?」とまた満は言った。

 するとリュファスは少し悲しそうな顔をしながら「これ、俺の親父の形見なんだよね」と言った。

 満は咄嗟に「そっか……」と言った。

 その時満は何か決心したかのように「よし、じゃあそのあの怪物を閉じ込めた使用されていない変数の中に俺を突っ込め」と言った。


「バカ!無理に決まってんだろ??」


 そうリュファスが言ったと同時にアシストモードが機能し《自分自身を任意の変数の中に代入するのは可能です。実行しますか?》と言われた。

 満は「あぁ」と言い、使用されていない変数の中に入っていった。


「ここが使用されていない変数。名前は確かvoid_001か。使用されていないくせにいろいろ揃ってんな」


 そう言い通常の変数の世界と同等の世界を保有しているまるで、変数のコピーのような世界を探索していると、怪物がいた。


「おい、怪物。というか超王か?お前何してんだ?」


 超王は何かを探しているようにいろんな所に穴を掘っていた。


「どうやってこいつに勝とうかな。ステータス差はアレス暦以前の魔王よりもありそうだな。」


 そう思っているとアシストモードがアドバイスをしてくれた。


《この世界は世界番号001という変数のコピー体。つまり変数自体は使用されていなくても内容や演算方法は全て同一です。そしてこの超王という存在は長らく危機というものに直面しなかったせいで、危機管理能力が最低値になっています。最後にこのvoid_001は神々が管理する領域ではないのでセキュリティ機能は存在しません。何をするか分かりますよね?》


 満はそう言われてひらめいたのだ。「セキュリティがない=大規模な魔法攻撃でも必要な魔力量が少ない。つまりこいつ事存在を消せる!」と。

 アシストモードは《はい!そうです!魔力量が必要になる理由は、その世界のセキュリティ機能のせいです。そしてここには存在しないため危機管理能力が無い超王を簡単に消し炭にすることができます!》と言い、満はそれを直ぐに実行した。


「アシストモードに補助しながら作ってもらった必要魔力数108京の"テキガキエール"を発動!」


 そういった満に気づいた超王は満に向かって全力で走ってきたが、時すでに遅し。

 超王は全身が消滅していき、最終的に虚無となった。

 超王が虚無になった1秒後にアシストモードが超王の存在変数を吸収しますか?と聞かれたのでYESと答え、完全にではないがほんの少し吸収できた満はレベルがG30へと成長した。

 そうなった満はもとの世界の変数へと帰還し、void_001で起こったことをジンクスとリュファスに説明した。


「満。お前めっちゃ強くなったな」


 なぜか口調が変化したリュファスがそう言い、それに続けてジンクスが「よくわからん」とずっと連呼している。

 そんなこんなあってロイマス山脈は攻略?して最後のロイダー山脈へと向かった

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