悠真②
呪いのぎしきをしたあとも、ぼくはずっと家の裏にいた。どのくらいかは分からないけど寒いし、呪いなんて、遊びでもお姉ちゃんにしたことが悪いことに思えてきて、とても怖くなった。
だからお姉ちゃんに謝ろうと思って、家の中に入った。
お母さんがぼくを見た瞬間に叫ぶみたいにぼくを呼んだ。
「悠真、どこにいたの?!」
「ずっと家の裏にいたよ」
「そんな……!」
お母さんの目は真っ赤だった。抱きしめてくるお母さんの体が、あつかった。
お姉ちゃんがいない。外まで出てきたのは見た。
「お姉ちゃんは?」
お母さんは、真っ赤な目でゆっくりぼくを見ると「すぐ病院に行くよ」と言った。
お母さんに連れられていった病院には、目が真っ赤なお父さんと寝てるお姉ちゃんがいた。お姉ちゃんはガラスの向こう、看護師さんたちが忙しそうにしてるそばで寝ていた。知らない機械がいっぱい。背中がザワザワした。
お姉ちゃんにかけた、いなくなっちゃえって呪いのせい? ゲーム取られたからやった。効果なんてあると思わなかった。お姉ちゃん、いなくなっちゃうの?
ぼくが呪いをかけたから。ぼくのせいだ。ごめんなさい。
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