第35話

「たっ、拓海?」




「……おす」




照れくさそうにあたしを見る拓海。







「なにやってんの?」








「待ってた、


……可奈のこと」








「なんで、こんなとこで……」




そう言ったその時、








拓海の左手の中に、




ふわりと




あたしの右手が




包まれていたんだ。








「えっ……?」




「家の前じゃ恥ずかしくてできねーから」

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